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M2+沈胴ズミクロン50mm

不思議なライカM2の話−次のライカ

周知のとおり、レンジファインダー付きMライカにはM3−M2−M4−M5−CL−M6−M7(これはヘキサーと競合する別格ボディ)−MP(年代順。これらの派生モデル、特殊モデルは省略)があり、それぞれに特徴を持っている。前回の談議で述べたように、これからライカを使って見ようと思う人はM6(M6TTL/MPを含む)かM5を勧めるが、もう少し凝りたい人やライカに限らずレンジファインダーの経験がある人には何を勧めようかと考えてみた。ここから先は私が使用した中での率直な感想として読んで貰いたい。

まずM3。伝説的に語られるファインダーの見えの良さ、二重像のシャープさ、距離計の窓がハレず(特にM6は逆光時、ハレて測距不能となる事がある)、更に極めつけは二重像の色が異なり、合焦の時に、それまでずれていた像の形と色がピタリと合ったときのクリアさ、決してマニアや評論家が作り出した「神話」ではない。そしてコンディションの良いM3の各操作系の滑らかさも特筆物と言えよう。しかし、現実には外見やコンディションの良いM3は値段が高く、M5より僅かに安いという程度である。そして好みや慣れの問題とも片づけられるかも知れないが、ファインダーの倍率が高い分、ブライトフレームは50.90.135の三種類で、ワイド系のレンズを使用する際は外部にファインダーを取り付ける必要がある。勿論M3用の眼鏡付レンズでも良いのだが他のボディとの互換性を考えるとどうかと思う(裏腹な話だが、他のボディにM3用のレンズを付けても思ったより使いやすいことも事実である。ややアイポイントが長くなり、私も含め眼鏡をかけている人には良い面もある。当然にファインダーのクリアさは損なわれ、特に逆光時フレアやゴーストは出る)。超広角なら目測でピント合わせをすれば良いが、35mm程度で絞りを開け気味(物にもよるがライカレンズの持ち味は浅絞り時なので多用する)で使うときは距離計でピントを合わせ、ファインダーに覗き変えてシャツターを切るという作業になる。私の経験でもピント合わせをせずに、いきなりファインダーでフレーミングをし、シャッターを切ってみたり、逆にカメラのファインダー(50mm枠)でピントを合わせ外付けのファインダーに目を移さずシャッターを切ってしまったりと失敗をする確率があり、またスナップ等の動体撮影では時としてタイミングの遅れにもつながる。さらにハッキリとした欠点もある。それは「漏光」の問題である。つまりシャッター幕とボディの隙間から光が漏れ、感光してしまうことがある。修理屋さんに聞くとほとんどこのトラブルはM3のみに見られる事で他のライカではM5で一度だけ見たことがあるとの話であった。そしてそれはM3の構造上の避けられない問題だとも語った。どういう意味かメカの詳細は私には理解しがたいが事実のようである。物の本によるとライカM3の説明書にも携行時は絞りを小絞りとするか、レンズキャップをするかせよと書いてあるようである。私は全くこの事を知らず、25年間CLを使って来たが一度も漏光を経験したことがないし、他のライカで実験としてレンズを外しシャッター幕に直射日光をあてても(M5.M6.M2.M4−2.M4−P.CL.CLE・・・私のM3は問題なし)何らの問題も生じなかった。これはほぼM3固有の問題点と考えて良いのではないか?前置きが長くなってしまつたが、M6.M5の次に勧めたいライカはM3ではないと云うことである(勿論私はM3も大好きだが)。私の考える良きカメラとはあくまでコレクターの望むそれではなく、撮影者の必要が前提なのである。その前提を頭に置いておいて、次の候補としてM2を今回取り上げてみよう。M4系を推す人も多いだろうし、私自身その理由ももっともだと思うが、一方で細かな異同を除いてみると、M4系はM6から露出計を取り去ったモデルとも見えよう。それはそれで面白い話の展開もあるので別稿で述べるが、ここはM2の解説をしてみよう。M2の生まれた経緯や年代の詳しい事は各種のライカ本で読んで貰うとして、使用感を中心に記すこととする。またM7/MPは「まだ」評価が定まっていないので次の機会としたい。

まず手に取ってみるとM3、M6とあまり違わないホールディング感である。基本のデザインが同じなので当たり前とも言えようが、ボディに巻いてあるグッタペルカ(人工皮革)の性質の差か、僅かだがM6よりは固く、かつ重く感じる。クロームの梨地仕上げはM6より美しい。これは好みの問題ではなく技術の高さや手間の差と言えるのだろう。M6のクローム(ライカ社ではこれをシルバークロームと銘打っている)がやや黄色みを帯びて光沢が強く、私の持っているヤシカエレクトロ35のボディのニッケルメッキの梨地仕上げの光沢に似ている。どうやら公害対策で昔のようなメッキは不可能になっているのである。余談だがドイツでは環境基準が厳しく、ベンツやBMWのボディ塗装も水性ペイントに変わっているのである。どちらにしても昔の仕上げは今後望むべくもないことは事実である。対してM2では(M3−M5にも共通のことだが)きめが細かく真っ白に近い色をしており、古くなって汚れで黒ずんだ表面を相応の方法でクリーニングするとよく分かるだろう。ただし丈夫さにおいてはM6のクロームより劣っており、きめが細かいことと、やや金属が軟らかいのか、コンパウンドで磨いたり、何かに擦ると梨地がつぶれ易いことも確かである。酸性分のない洗剤を薄くして軽く拭き、あとはシリコンクロス等でこまめに磨くことだろう。次にグッタペルカについては何十年も経ち、しかも材質自体旧式のものであるため、劣化が進んでいるだろう。私にはこれに対する手だてが分からない。言えることは乾燥させすぎない、痛みやすいベースプレートと干渉する部分を、その開閉時に傷つけないということのみである。私のM2も補修しておりよく見ないと分からないが、ここが少し欠けている。他のカメラでも大抵ここが痛んでいる。つまりベースプレートを取り付ける際の引っかけるポッチの近くか、反対側のロックの付近をフィルムの交換時、慌てて無理な取り扱いをして痛めると云うことだろう。それとやはり環とこすれるストラップ取付金具の周辺、レンズマウント周辺にも見られる。代替えがないので大事にするしかない。また清掃も水も含めどんな化学変化をするか分からないので洗剤、油脂も避けたほうが良く、またまたシリコンクロス・セーム革の登場となる。ただし、どうしようもなくなった時は純正にこだわらなければ当然国内の修理屋さんで新しくしてくれる。沢山売れているので、部品はあまり心配ないのである(ただし相当高くつく)。

次にM3に比べて優れている点を2つあげると、まず好みの問題ともいえようが、フィルムカウンターが外付けのやはり綺麗な梨地仕上げのマニュアル式であることがひとつである。フィルム交換時カウンターが自動復元せず不便という事も言えるが、バルナック時代の香りを残した味でもあり、小さなプラスチックの窓からみるより明快とも言えよう。ただし注意点がある。一般的に知られていることだが、このフィルムカウンターは前方向にしか普通回らず、かつラチェットがきいているので、誤操作をして回してしまうことは少ないと思われる(それでも最初のうちは気をつけよう)。フィルムの巻き上げレバーが巻き上げた状態、またはシャッターを切って巻き上げをしていない状態ならそれで良いのであるが、問題は中途半端に巻き上げレバーを動かすとロックが外れ、逆転もするし、ラチェットも効かなくなる。これは浅学のせいかも知れないが、どの本でも読んだことがない。M2においてはフィルムは完全に巻き上げるか、シャッターを切る前に巻くか、いずれかを厳格にまもらなければならない。私はM5の時の解説と違って、このカメラは露出計が内蔵されていないため順序はどちらでも良いと思う。巻き上げそのものは一回巻き上げでも小刻み巻き上げでもスムーズに作動し問題は無い。私の考えでは長く使うためには機械の構造の原理を考え、ゆっくりとした一回巻き上げが望ましいと思う。M4以降のプラスチック片のついた巻きあげレバーよりM3−2の総金属製のレバーが好きである=セルフタイマーレバーやフレーム切り替えレバーも同じ。人間工学的な良さより頑強さが望ましい。私のM2は初期型の94万台なのでフィルムの巻き戻しのロック解除はボタン式である(ただし押しっぱなしのタイプではなく押すと止まるタイプ)。これなどはM2以外のライカの可倒レバー式より良いとおもうのだが…。

次にファインダーだが、倍率はM3より低いが充分見やすく、ブライトフレームが35.50.90とレンズ交換で切り替わり、M3の50.90.135より実用性という点ですぐれている。また各フレームは単独でファインダー内に現れ、これもMライカのなかではM2のみのシンプルさである。つまり他のMライカでは付けるレンズによってはフレームが二つ出てしまうということである。もうひとつファィンダーの距離計窓には被写界深度確認用の切り欠きがある(詳しくは文章では書きにくいので、どれかのライカ本を参照)。これは使えなくはないが実用的とは言えず、あまりにマニアック(自己陶酔的と言ってもいい)な仕様で、ライツ自身それに気づいたのかM4以降廃止された。フィルム巻き戻しはM4から例の斜めに付いたクランク仕様になり、合理性ではそれが良いと思うが、私の友人はM3−2のノブ式が良いと言う。私も触っていると巻き戻しの面倒さはあるが、これも仕上げ・デザインを捨てがたいと感じるようになってきた。事情があって、もう一台Mボディを買うことになったが迷ったあげく、ここで紹介したモデルと別バージョンのM2とした。さて、ここに書かれた事柄以外は他のM型(M5.CLを除く)と大きくは変わらないので省略するが、良い点悪い点を差し引きし、実勢価格を鑑みると次のライカはM2となる。これが結論である。ちなみに私のM2(1958)はエルマー50mm F2.8(1962)付きで(いずれも美品)1999年3月、20万円で買った。

ここからが趣味的な話になる。タイトルにある不思議なM2である。仕事で田舎町に行ったときのこと、駅で待ち合わせの相手が遅れて、20分程待つ事になり、暇つぶしに駅前の小さなカメラ店を覗いてみたら、なんと!小さなショウケースにライカM2が2台とレンズが2−3本埃をかぶって展示してあるではないか。早速見せて貰ったら、田舎のこととて売れないのだろう、ボディ17万、エルマー7万ぐらいの値段が付いていたろうか?それをいじっていると(勿論、レンズの曇りや距離計、その他の可動部のチェックをそれとなくしつつ)冷やかしじゃないと見たのだろう、いきなり「両方買ってくれたら、20万で良いよ」と切り出してきた。「そんなに現金をもってないよ。カードならあるけど…」といいつつ鞄からM5を出して、エルマーを取付け、測距してみる。「特価品なので普通は現金なんだが、カードでもいいよ。保証も半年付けるしね。それにエルマーは欲しいって云ってる人も居るのでねぇ」と云うわけで取引成立。ここら辺のやり取りの呼吸もぜひ心得ていただきたい。私は写真家であると共に民俗・地理学の研究者でもあるので「モノをとおした人間の関係・生活」についても大変興味を持っている。スーパーで山積みの商品を買うようなやり方はしない。モノの移動に売り手と買い手の心もついていくと思っている。写真も撮影者と被写体の瞬間的な交わりの上に成り立っている事と同じである。まして、一生もののライカに山積みディスカウントが許されるはずはない。中古カメラを買うのに、田舎町の小さな写真屋も加えてやって欲しい。手っ取り早いのは都会の専門店だが、掘り出し物は無いといっても良い。つまり相場が安定しており、値段と程度は正比例している=常連になれば当然良い物を見つけてくれるが、よけいに高くつくこと受けあいである。私のM2は結果として掘り出し物であった。程度からみてもエルマー付きで20万は安いが、持ち帰って暫く忙しくて放っておいたのち、まずテスト。シャッター速度(なに、露出を正確にはかり、テスト用の標準フィルムで同じ露出値で絞りとシャッター速度を変えて各コマのフィルム上の露光の濃さを観察すれば済む事である。工学者ではないので実用上差し支えなければOK)のテスト。漏光のテスト。レンズ描写のテスト。距離計のテスト等々…。とりあえず完璧に近いコンディションと言えよう。コレクター的な趣味はないがカメラの研究をしている都合もあり、各ライカ本でカタログ的なデータの確認をする。ボディ1958年、レンズ1962年製造と分かる。レンズはエルマーを別の年代だが持っており、また今は手放した別のエルマーのテストデータもあつたため比較し、特に記す事(いずれ別稿で標準レンズのテストの話もする)もないが、ボディが妙な事となった。シリアルナンバー94万台にはセルフタイマーがないはずだが、これには付いている。ファインダーの明かり取りの窓のギザが後期型である。カメラ内部のフィルム送りのスプロケットの塗装が薄くなつていたり、ストラップの吊り環の減り具合や、シャッターボタンのクロームメッキが薄くなるほど押しているのにその台座が無傷だつたり、ベースプレートが新品同様だったり(ケースに入れて撮っていたとも考えられるが、ボディ本体の下端は細かな傷がかなり付いているのに対し、ベースプレートの側には全くと云って良いほど傷がない)、不思議なカメラであることが分かってきた。つまりその時代(1950-60年代)ライツがよくやっていたことのようだが、第一のオーナーが(おそらくプロ)かなり使い込んで手放し、次のオーナー(たぶんアマチュア。改造後のトップカバーは多少使ったらしく傷も少しついているがケースをつけて撮影したらしくベースプレートは無傷)か、もしくは販売店がライツに補修を依頼し、ついでに元に戻すのではなく改造した...トップカバーの交換−同時にファインダーの明かり取り窓やシャッターベース、その他付属物も交換。セルフタイマーの付加。ベースプレートの交換。シャッター幕の交換、シンクロ接点がM3−2式からM4以降のドイツ式へ変更。その他見えない所でも何か改造があるかも知れない...そのあと少し使って、この店にやってきたのだろう。そしてこの店は中古カメラ店ではないし、店主もライカに詳しい人ではないので、予想としては第二あるいは第三のオーナーがこの店の客で、年をとってピントが合わなくなり、ニコンかキャノンのAF一眼レフに買い換えたとき、下取りにとったもので、オークションで市場に流しても安いし、半分店の飾りとして置いておいた物であろう。なにせその近辺にはカメラ屋は一軒しかなく、地元の高齢のアマチュアの人たちはおそらく長い間この店で取引し続けていたに違いない。こんどそういう人にも色々な話をきいて見ようと思う。私自身初めてカメラを買ったのは住んでいた町の小さなカメラ屋だった。話が大きくそれたが、ライカにはこのような不思議なカメラがしばしば存在し、それにも最初からの物と途中で改造されたもの、最近だとこれに純正ではない改造モデルがあったりして楽しきことである。ひょっとすると、これはブレッソンが使い込んだM2かも知れないのである。少なくともシャッターボタンの上面の指のかかる部分のクロームメッキが減って真鍮が見えているカメラなど見たことがなく、いずれ報道系のカメラマンが使ったとしか思えない。私のカメラが買い得だったかどうか訳の分からぬ結末だった。少なくともコレクター的な意味では相当な値打ちのようである。もし第二のオーナーが使用せず、改造M2の新品状態だとびっくりするような価値があるそうで、ほんの少しのトップカバーの傷に、知人のカメラ業者は「惜しい」と彼なりの立場で発言していた。このようなモデルはM2において最も多いとのことで、そんな意味でもM2は次のライカとしてお勧めなのである。製造を止めて30年以上経っているのである。皆さんの元にはどんなM2がやって来るのだろう...。

以前はビゾフレックスを付けて接写・複写に多く使用していたが(現状ではデジタルカメラに代わった)別のレンズを付けてみた。写真のM2はエルマーコピーのトプコール5cmf3.5である。このレンズはこれ程までにと思うほどエルマーそっくりに作ってある。資料によると1950-55年の製品で写りは良好である。ただしレンズ前面に傷が多く、ソフトフォーカスレンズのような滲みとなって実用性には欠けるが、その分を差し引くとエルマーと互角の性能を持っていると思われる。国産のこの時代のレンズはツァィスやライツのコピーレンズが多いが、ボディと違ってうまく作ってあって、どれも見直してよいと思われる。私はこの手のレンズのテスト結果を多く発表していきたい。あまりまとまった資料がないので有用だと思う。しかし現在ではライカの中古レンズよりは安価だが、発売当時の価格を比較するとインフレ率ははるかに国産のLマウントレンズの方が高く、ライカレンズがなんとなく買い得な印象を持つのは私だけだろうか?

summaron35/3.5L 2001年、上記いわく付きのM2をブラックペイントした。非常に美しく、観賞用としか言えない。オリジナルのM2ブラックの新品同様品を見たが、それより遙かに綺麗な仕上げである。M2は2台あり、前期型のこちらか後期型(これは完全にノーマル)のもう1台にするのか迷った。どうせなら上記のように改造された前期型に決めたのである。しかし綺麗すぎて後悔している。元々綺麗な個体だったが、その店ではペイントするだけではなしにバックドアその他のリペアも含めたサービスになっており、ほとんど新品のようになってしまった。これでは荒っぽく使う気になれないのである。読者諸氏にも警告しておきたい。「ノーマルにこしたことはない。ボディは修理・調整にお金を出した方がいい」と。もちろん記念モデルや珍品ライカも同じ意味で避けた方がよい(コレクションなら別=それなら逆に美麗さを保つために、あるいは汚れたライカを蘇らせるのにお金をかけるのは当然である)。

M2(後期のごく普通の個体)+ズミタール50mmF2。ブラックよりこちらの方がさまになっているように思われる。このボディは最近友人に譲った。

上のM2を譲った友人から、現在の姿の写真が来た。ここではキヤノン50mmF1.2x純正フードが着いている。2-3年前、このレンズの性能や使い方で悩んでいたことを思い出す。私のところにあったら使われなかったカメラが、盛んに使われているのはとても嬉しいことである(正直に言ってほとんど使わないボディ・レンズをたくさん持っていることに後ろめたさを感じている)。

ズミクロン50mm現行品を取りつけた。格好悪いと云われているレンズだが、なかなかどうして古いボディにもマッチしている。実はこのレンズ、マイナーチェンジ近しという誤報のために慌てて買ったものである。

デュアルレンジズミクロン50mm初期型を取りつけた。上に乗っているのはコシナのVCメーター。

ブラックペイントM2...ズミクロン35mmF2ASPHをつけると、バランスとしてはややレンズが大きく見える。

またまた別のM2がやって来た(レンズはコムラー35mmF3.5)。最末期のM2でキチンとチューンされたボディだ。良くない習慣かも知れないがライカはどれにしてもいいカメラだ...残念ながらファインダーに問題があり諦めた。非常に綺麗なのだが、技術者「ファインダーの見えに違和感が...」、私「距離計像の縦ズレ?横ズレ?」、「いえいえ、もうひとつスッキリとしないのです」、私が覗く「特に問題はなさそう」、しかしよく見るとファインダーマスクが純正ではなく、ファインダー内のどれかのレンズも純正と違うのか、あるいは位置関係に異動があるのか、ファインダー像と距離計像の視度が異なることが分かった。つまり「違和感」は綺麗に抜けたファインダー像から距離計像に目を移したときに、像の距離が見かけ上異なるために目のオートフォーカスが効き、「力がかかる」のである。距離計そのものは正確に調整されていた。もちろん技術者の責任ではない、このM2が持ち込まれたときから、おそらく非純正の修理がなされていたのだろう。ボディは綺麗だしファインダー以外のメカもほぼ完璧の「いいM2」だったが、教訓を残してくれた=初めての人が使う分には何も気にならないだろう。ずっと修理/整備してきた人、ずっと撮影に使ってきた人だけが「なんとなくの違和感」を感じられるのである。

★2009.3…また別のM2が遅れてやってきた。初期型のオリジナルなM2だ。外見からはセルフタイマーレス/プッシュリワインドボタン/採光窓のカバーの縦格子が細かい…などである。

かなりの使用感はあるものの(あるいはそのためか)オリジナルをよくとどめている。ブラックペイントしたもう一台の初期型は上記のとおり、かなり後期型への改造がなされている。ストラップは伊賀上野名産の組み紐を自分で加工…あまりうまくないが具合がいいので何台かのカメラに取り付けている。

もう一台、友人からM2がやってきた。これで3台、どれも初期型のM2である…程度はさまざまなれど長年の間に何らかの改造や改修がおこなわれている(このボディは貼り革がM6のもので、ファインダーフレーム採光窓は後期型である)。 どうもM2は友人と買ったり売ったりで、使わないのに出入りがはげしい。

初期型M2にsummitar 5cmF2(戦後型コーテッド丸絞りタイプ=特別に綺麗な個体だ)+Canonの1960年代の42mm径の被せフードを取り付けた。非純正のグリップはM5/CL以外のMボディに付けられるアルミ削り出しのもので少数しか作らなかったのか最近は見かけない。

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