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「港の景観−民俗地理学の旅」 第4章−冠島参り


1022000/6 船から見た冠島。絶海の孤島ではないが、神聖な島ゆえ人の進入を拒み、深い照葉樹林に被われ、浜からは鳥居だけが人の気配を感じさせる。終戦まではここに海軍が駐屯し、そうとうの人数が暮らしていた。 ヘキサーRF+Tri-Elmar+PKR

1032001/9  三浜峠から。三浜の町と海の向こうに三角形の冠島が望まれる。先人もこの峠を越えて浜へ降りていったことだろう。何となく近くに見えているが、冠島へは漁船の全速力で1時間近くかかる。 一番浜に近い島が一部が陸とつながっているアンジャ島。三浜の生業は広くない耕作地での農業と、山林、そして漁業であった。 M6TTL+ノクチルックス50mmF1+RA

1042000/6 三浜町内。典型的な漁村の景色で、道は狭く家はぎっしりと建て込んでいる。地区内を歩くと、人は少なく無住の家も多い。現在はあまり漁業は盛んではなく、以前に盛んだった民宿業も衰えている。客の多くは釣り人である。 M5+summilux35mmF1.4+PKR 

1052000/6 三浜の町はずれの小川。 綺麗な川が砂浜に流れ込む。浜近くに小島がいくつか浮いている。左に遠く霞んでいるのは丹後半島。浜には本格的な防波堤はなく砂浜が広がっていて、過去には海水浴客でおおいに賑わったようだ。 M5+summilux35mmF1.4+PKR

1062000/6 小橋の浜。三浜方向を見た、祭りの早朝の景色。まだ参詣者は出てこない。低気圧の接近で不安な空模様だが祭りは決行される。 TX−1+45mmF4+PKR

1072000/6 雄島参りの朝。地区の人が祭礼用の旗を持って出かける。早朝の浜は初夏にもかかわらず肌さむいぐらいだ。 TX−1+45mmF4+PKR(ノーマルライカ判)

1082000/6 雄島参りの参詣者が漁船に乗り込みを開始する。 ヘキサーRF+Tri-Elmar28mm+PKR

1092000/6 お供え。神へのお供えは、やはり酒と魚だ。 ヘキサーRF+Tri-Elmar50mm+PKR 

1102000/6  祭祀用の太鼓も積み込まれる。この浜から冠島を目指す漁船は五艘ぐらいだろう。 ヘキサーRF+Tri-Elmar35mm+PKR

1112000/6 出航。浜には地区の人々が総出で、船は湾内を一周する。浜の人も参詣者も互いに皆手を振って冠島へ旅立つ。 ヘキサーRF+Tri-Elmar28mm+PKR

1122000/6 冠島を目指す。海は低気圧の接近で天候が悪化し波風が強い。しかし島へは各船が競争で走らせるため、人々はずぶ濡れになりながらも、しだいに神妙な気分になっていく。私はカメラを守りつつ撮影をする。 ヘキサーRF+Tri-Elmar28mm+PKR

1132000/6 冠島へ上陸。島に着くと同時に晴れわたり、神に迎えられた気分となる。人々は協力して供物や食料を荷揚げする。 ヘキサーRF+Tri-Elmar28mm+PKR

1142000/6 祭礼。海の天気は目まぐるしく変わるためだろうが、上陸してすぐに老人嶋神社へ向かう。島全体を包む照葉樹林に赤く「老人嶋大明神」の幟が鮮やかである。 ヘキサーRF+Tri-Elmar28mm+PKR

1152000/6 神官による祭礼が始まる。舞鶴市長や保安庁の管理職など行政の重職の人々も混じる。地元にとって重要な神事なのである。TV局のカメラクルーも同行し、祭りは夕方に放送された。 ヘキサーRF+Tri-Elmar28mm+PKR 

1162000/6 お参り。神官の祝詞が終わると、地元の漁師や釣り船船頭などの参詣が始まる。荒っぽくも真剣な祈りと感じられた。 ヘキサーRF+Tri-Elmar28mm+PKR 

1172000/6 本殿。薄暗い本殿の奥に海の神がいる。建物は粗末だが威容は大神社にも劣らない。 ヘキサーRF+Tri-Elma28mmr+PKR

1182000/6 参道にて。浜と神社を結ぶ道は鬱蒼とした照葉樹の森に囲まれ、暖かい海流に囲まれていることが分かる。向こうが浜、背後に社がある。 ヘキサーRF+Tri-Elma28mmr+PKR

1192000/6 船玉社。 本殿脇に建っている。江戸時代の廻船の模型が安置されていて、ここでも人々は荒々しく酒をぶっかけるようにして参る。 ヘキサーRF+Tri-Elmar28mm+PKR 

1202000/6 神主。 突然光が滲む。湿度と温度の急激な変化でレンズが曇ったのだが、海の神が降りてきたように感じられた。  ヘキサーRF+Tri-Elmar28mm+PKR

1212000/6 エビス社。  現在はコンクリートでできているが、やはり今でも石をぶつけられているらしく、祠の回りは大小の石が積もっている。石棒信仰があることも特筆できる。 ヘキサーRF+Tri-Elmar28mm+PKR 

1222000/6 浜にて。 なおらいが始まった。今年のネギの人に話を聞く。 ヘキサーRF+Tri-Elmar28mm+PKR

1232000/6 なおらい。 浜いっぱいに講ごとに広がり、持参した弁当を広げ、海の産物を煮炊き始める。晴れた空、凪いだ海、幸せな気分となって神の前で感謝をこめて共食する。 TX−1+45mmF4+PKR

1242000/6 浜辺にて。 岩がごろごろしていて歩きにくい。なおらいは続く。遠くに本土が霞んでいて、陸から島を眺めるより遠くに感じる。 ヘキサーRF+Tri-Elmar35mm+PKR

1252000/6 砲台跡。 浜にある旧日本海軍の砲台の跡。その向こうは全島照葉樹林が広がっている。その中に社殿が建っている。 ヘキサーRF+Tri-Elmar28mm+PKR 

1262000/6 上陸禁止の看板。 浜の真ん中に舞鶴市によって立てられている。 ヘキサーRF+Tri-Elmar28mm+PKR

1272000/6  参詣船  上陸時は岩浜に直接着けるが、突然の風波による破船を警戒して少し沖に停泊している。三浜以外からの船もいる。天然記念物オオミズナギドリが羽先で海面を薙ぐように飛んでいく。  TX−1+45mmF4+PKR

1282000/6 本土への帰還。 また船に乗り込む。足下が危なくて老人には難儀だろうが、落ちるような人はいない。 ヘキサーRF+Tri-Elmar50mm+PKR 

1292000/6 沖合から。 帰りの船から冠島を眺める。往路は荒天で写真どころではなかったが、特徴的な島の形は忘れられないだろう。別の講の船はまだ島にとどまっているが、そろそろ天候は悪化しはじめたようである。 ヘキサーRF+Tri-Elmar50mm+PKR

1302000/6 浜が近づいた。 帰りは穏やかな船旅で、海岸の景色を眺める余裕もある。陸からは見えない岬の先に美しい海食崖を見つけた。 ヘキサーRF+Tri-Elmar28mm+PKR

1312000/6 小橋へ上陸。 「今日は良かった」皆で船頭をねぎらいながら浜へ上がる。 ヘキサーRF+Tri-Elmar28mm+PKR 

1322000/6 雄島参りの終わり。 船に飾られた旗や幟を外す。また来年も会いましょう。 ヘキサーRF+Tri-Elmar28mm+PKR

1332000/6  エビス社に近づく。 エビス様は耳が遠く、願い事を聞いてもらうために社殿に石をぶつけて起こすという風習があり、何度立て替えても壊れるため、ついに近年コンクリート造りになった。やはり今でも石はぶつけられているようである。 ヘキサーRF+Tri-Elmar35mm+PKR

1342000/6 島の地蔵。  雄島神社本殿脇に残された地蔵群。苔むし、風化も進んで細部は判然としない。ここにも石棒信仰の痕跡はある。 ヘキサーRF+Tri-Elmar28mm+PKR

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