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「ライカL−Mマウントレンズ/広角系の1」   12mm-28mm

L表示のものがLマウント、無印はMマウント。bがブラック、cがクローム、tがチタン、pがパンダカラー。年代は公称年で、?付は推定年。この中には既に手放したものや、知人のレンズを借りてテストしたものも含まれる。順番はなるべく短焦点から並べているが、見やすさのために「ライカL−M1.2.3」と広角・標準・望遠に分けた。   −nagy−

★LeicaM9購入を期して、ライカマウントレンズをデジタル時代に蘇らせる実験を開始した。随時テストしていくので参考とされたい…2010/10。


1.コシナ=フォクトレンダー スーパーワイドヘリアー12mmF5.6L B  2002  またしてもひょんなことから私の所へやって来た。35mmRF用としては最も広角のレンズである。15mmも使いこなせないのに12mmとは片腹痛いとのことだろうが、来てしまったものは仕方がない。なんとか使うようにしてみよう。 使ってみると=そのシャープさには感心した。15ミリと比べてずいぶんパースペクティブが強調される。多少レンズが長いので、ホロゴンであるような「指写り」はないが、気を抜くと(かなり神経を使っても)四隅に意外な物が写り込む。ファインダーはまるで頼りにならない。とんでもないレンズである。しかし素晴らしいと云わざるをえない。ただし極端に周辺光量が落ちるのでセンターフィルターが欲しくなる(ホロゴンのF8との1段の差は大きい)。

ずいぶん派手なコーティングである。10万円以上もするのだから、きっと良く写るのだろう。コシナ=フォクトレンダーRFレンズはこれですべて揃ったことになる。しかしそのうち(どれもいいレンズで、少し落ちるのはヘリアー50限定と25mmぐらいで、あとは好みは別として「実用的」を通り越して「相当」良い)実際に使っているのは−CS28F3.5/CS35F2.5/APL90F3.5ぐらいだろうか。情けないことである。レンズを持ちすぎるとどうしても使えない。遊びで使うオモチャレンズはともかくとして、立派な性能のレンズを持ちぐされているのは誠に忍びない。カメラ機材に対しての態度を改めたいと考えている。

信楽にて。周辺光量はかなり落ちる。

別角度から。ファインダーは歪曲は大きいが見えは良く、画角も適切だと思っていい。そしてあまりにワイドなためフード部分が画角に入る。実写でも画面に簡単に靴が写ることがある。

周辺光量はそれなりに落ちるが、想像よりは(どうしてもホロゴンを念頭に考えてしまう)その程度は大きくはない。コシナ=フォクトレンダー15mmよりシャープだ。庭にて。

2. スーパーワイドヘリアー15mmF4.5L b 1999 極めてシャープ。使いにくいほどのハイコントラストかつ青玉である。歪曲もほとんど目立たない。仕上げは少し安っぽいが(どうもコシナのデザインはあか抜けない。昔のライツレンズのデザインに似せており、作りも悪くないが、どこかバランスが悪く現代的な洗練にかける)コンパクトにまとまっており操作感も良好。描写はシャープでスコパー25よりやや良いと思える。周辺光量の落ちも小さい。充分実用的である。フード組み込み。フィルター不可。

ベッサLに取りつけた・・・その小ささが分かるであろう。後発の12mmレンズと比べて抜群のコストパフォーマンスと思われる。蛇足ながら付属のファインダーは21mm用も同じものである。ただし21mm用にはフレームが浮かんでいる。

かなりシャープで何の問題も感じられない・・・庭にて

大阪・天保山にて。友人のエプソンRD−1に取りつけての撮影。35mm画面の中央を使っての撮影となる。解像性能は充分だが、やはり射出瞳がフィルム(CCD)に近いため周辺で落ちてしまう。射出瞳を遠くするためにレトロフォーカスとすると性能の面で少しの疑問が出るし、そうでなくてもせっかくのRFレンズの良さ(軽い、短い)もスポイルされる...要するにRFデジタルのワイド側はまだ問題は残る。

少し絞って(F8)エプソンRD1で撮るとイイ描写である(換算値22mmぐらい)…長谷寺にて。

M3に。ファインダーはオリジナルのものを好まないため、ここではGホロゴン16mm用のものを取りつけている。あんまりバランスの良くない組み合わせなので、実際の撮影ではノーマルファインダーを使う。よく写るレンズだ。

3.カールツァイス ホロゴン16mmF8L改  来年最初のレンズになるはずであった。G−Lへのマウント改造が予想より大幅に早まったのである。ボディごと預けての決死の改造であった。と言うのも改造レンズにはフランジのズレを初めとして色々リスクが伴うものなのである。特にホロゴンの場合、深度が深くて、かつ独特の描写をするため多少ズレていても分かりにくく「滲んでいる・・・思ったより軟らかい」というような評価もあるくらいだ。このレンズは技術者のきちんとした調整のため素晴らしい出来映えとなった。レンズの描写は素晴らしく硬い。しかしハイライトにハッキリとした滲みが出て、フレアやゴーストも独特な出方をする。なにせ絞りが無いのである。ホロゴンと言うと歪曲のなさが強調されているが、そんなことは小さな個性である。遠からず「カメラ談義」にはどうしても登場させたいレンズだ。久し振りに本当に個性的なレンズに出会った。ヘキサーに合わせたのは、これだけがセンサーの角度が深くてTTL−AEが使えるのである(少しの補正は必要)。そのためボディごとドックに入れていて、その間に仕事が入り(いつでもそうだが「急いで、速く」撮らねばならない内容)ヘキサーボディをもう1台買うはめになった。これからも使えるのでいいのだが、高くついたレンズである。ピントレバーはそのままだとフレームセレクターレバーに当たるため、ギリギリまで削ってある。これもボディごと預けた理由のひとつだ。もうひとつM改は加工にフライス盤が必要だが、L改だと旋盤で充分で精度が出しやすい=しかしレンズにフードに似た構造物があるため、回ってしまうLだとボディに合わせないとズレる可能性もあるのである。私はとても幸運だ・・・腕の良い技術者が身近にいてくれて(K-repir)。

ヘキサーのセレクターレバーはライカに比べて少し出っ張っているため、ライカM系なら全部クリアする。L−Mリングも当然合わせてある。ただし露出計との連動関係から、2台のヘキサーRF以外では使わないだろう。

周辺光量は劇的に落ちるが、使い方次第だろう。問題はフレアが独特の出方をすることで、この絵でも真ん中の木の生えている回りの磨き石のハイライトがかなり滲んでいる。それらの小さな(しかし独特な)問題を除いては良好な描写であり、慣れれば実用的な価値もでてくるだろう・・・水フォーラムの渡し船の写真にも1枚挿入した。

MPに。ドーム状のレンズが分かるだろう。このレンズの清掃は難しい。現実的に周辺部は不可能で、しかるべきプロに頼むべきだろう。

2011.9 リコーGXRで蘇った…LeicaM9でもエプソンRD1でもオリンパスE−P1でも使用不能のレンズだったのである。APS−Cだと24mm相当になるが「それでもホロゴン」イメージサークルの中央を使うため平均画質は良くなるかも知れない。

リコーGXR+ホロゴンG16mm改で外へ出た。大阪の地下街・地下鉄東梅田近辺で…これは露出補正−0.3、ビビッドモードで撮影。グレイが概ね自然に写っている=厳密には周辺部がほんのわずかマゼンタに寄っている…色シェードでR−1にして周辺光量を+1ぐらいで撮影した方がいいだろう。 リコーGXRは当分ホロゴンG16mm改とスーパーアンギュロン21mmF4のみで撮影しよう…もちろん24mm以上の焦点距離はLeicaM9で写す。そして時々エプソンRD1やオリンパスE−P1の出動ということだろう。

4.ルサール20mmF5.6L B 1980  ツァイスビオゴンに似たロシアンレンズである。前玉・後玉ともに半球形のドームのようなレンズである。現代のレンズとしては珍しくコーティングがないレンズ面が何面かある。径は43Φだが絞り環が内側にあるため事実上フィルターはつけられない。距離計に連動しておらず、目測である。極めて個性的なレンズでこれから使うのが楽しみである。使ってみると、中央部はかなりシャープで実用性充分。ただし個体差が激しいのでテストは必須である。この個体は片ボケが見られたので購入を見送った。*

レンズ本体、キャップ、バックキャップ、ファインダー...これで1セットである。これを見ても分かるようにコーティングのないガラス面がある。このように内側に絞り環があり、フィルターを着けると操作できないことが分かるだろう。

大阪・上本町交差点にて。右が近鉄百貨店、私の事務所の近くだ。F8までは片ボケが感じられたがF16まで絞ると周辺もかなりシャープとなる。ややタル形の歪曲があるが一般的な撮影では無視できる量だ。E100VS

ファインダーは純正である。最もモダンなデザインのヘキサーRFと組み合わせても違和感はない。 

2. アベノン21mmF2.8L c 1997 やや軟調。GR21に比べて周辺光量もあり、使いやすいレンズ。たぶん使ったことのない人は線の細さに驚くだろう。ただし画面全面に貼り付いたような描写には違和感があるかも知れない・・・逆光時は時として派手なゴースト・フレアが出るので要注意。私はどちらかというとGR21やS・アングロンのような奥行きのある描写より平面的なアベノンやエルマリート21mmの方が好みだが、一般的にはどうなのだろう・・・最近はGR21やスーパーアンギュロンに好みが移りつつあるのが不思議である。58Φ。「カメラ談義」収録。

安原一式と。見た目のバランスは悪いが、安原一式はLマウントボディとしては異例に重く、軽いレンズよりこの方が持ちやすいのである。

アベノン21mmの白と黒レンズ。少しコーティングや絞り羽根、絞り環に変更がある=写りに変化は感じられない。

吉野川、下市付近にて。条件がいいと現代的な絵が作れる。

コントラストは現代のレンズとしては低く線が細い。悪くないと思うのだが・・・逆光時のゴーストだけはいただけないだろう(私は一向に気にしないが)。

LeicaM9に。やっぱり大きい(@_@)、撮影すると周辺のマゼンタかぶりは問題とならない(レトロフォーカス型ならOKのようだ)。

5. リコーGR21mmF3.5L c 1999 線の細いGR28と似た描写。かなり周辺光量の落ち込みあり。どうしたものか絞っても改善されないように感じる。どうもスーパーアンギュロンを意識したレンズ描写に仕上げているようだ。ただしなだらかに落ちるため、固有の味とも云えようか。線が細いためもあり、晴れた日の順光、または曇り日のフラットな光での撮影にむいている。どちらにせよあまり絞らない方が良さそうである。コンパクトなので携行性大。絞りレバーのネジは取れやすいので注意。専用フードは独特の角形フードで趣味的には良いだろうが、ややデコラティブに過ぎると思う(普通の撮影条件では付けても付けなくても結果に大差はない)。40.5Φ。

フードに切り欠きがあるが、そもそも距離合わせ以外でボディ側のファインダーで見ることはないため無意味としか云えない(距離計窓の「逃げ」ではない)。しかし格好がいいことは事実である。カラースコパー21ミリと同じで多少の効果は期待できるが、そのコンパクトさは損なわれる。外しても逆光には強いので構わないのだが・・・どちらかというと姿重視の部品だろう。

ヘキサーRFに取りつける。やはりこれが一番しっくりくる。レンズ後端の突出がないため完全にAE撮影が効く。レンズの前も短いためファインダーのレンズ面との距離が小さく、前後パララックス(こんな言葉はないが、超広角となるとレンズの前後のズレにより写りが異なる)が小さい。ファインダーはとても見やすく仕上げもいい。

ベッサTに取りつけた。またまたライカマウントの汎用性に感謝。

奈良・九品寺にて。この写真では分からないがピントは細かい。周辺光量はかなり落ちる。何より完全逆光性能が良い(画面左脇に太陽がある)。このレンズの特徴が良くも悪しくもよく出ている。

6.スーパーアングロン21mmF3.4 B 1969  ついにライカMレンズの2ndバージョンが特殊なものを除いてすべて揃った。私はコレクターではないため、まちまちな程度で時間もかかったが、取りあえず行き着くところまできたようだ。色々なライカ/ライツレンズを見てきたが、やはり70年代の味を持った2ndバージョンが好ましい。仕事では最新のものが良いと思われるが(総合的な性能)追いかけている絵づくりに最も適しているように思われる。E48/ドイツ

ヘキサーとのバランスはあまり良いとは言えない(勿論TTL-AEは効かない)。このレンズはM5対応の測光アームの干渉が避けられるものである(アームが出てこない)。

京都・精華町の開発工事現場にて。シャープ感はGR21mmあたりに比べると劣るが、色乗りやパースペクティブの出具合はなかなかいい。エルマリート21mmよりも硬い。

M4−Pに。フードをつけると感じが変わる。このフードを好む人が多い。すでに古すぎて中古でも綺麗な個体は少ない。ファインダーは純正を持っておらず、これはGR21mmのものである。このスタイルだと少し気恥ずかしくて、街頭では使いづらい。

独特のデザインである。ライカのレンズよりガラスの透明感が強いように感じる(もちろん実際は同じ)。

リコーGXRに取り付けた…このレンズもLeicaM9その他では満足に使えずリコーGXRによって蘇った。最近のミラーレス一眼に比べると硬派な雰囲気で、なかなか精悍なデザインだ。性能も価格の割には上等である。リコーGR/リコーGX100/リコーGXRとデジタルリコーは3台目で、どれも期待以上と感じる…リコーはデジタルカメラ時代に孤高を保っているように思われる。

別角度から。ファインダーの位置や大きさも具合が良い…外付け光学式ファインダーでも良さそうに思われるが、パララックスの問題や各種の撮影情報の表示などEVFのメリットは大きい。なにしろライブで見られるのだから…外付けだと微妙に実画像とは違う。だいいちプロでも時々見られる、シャッターを切ったあとファインダーから目を離してモニターでプレビューを確認する必要がない。私はこれを「みっともない」と感じてしまう…昔は一眼レフの一瞬の暗転すら問題視され、被写体をずっと見続けることが大事と皆が考えていたのである。

7.エルマリート21mmF2.8 B 1985 1980年から生産されたライツ製の初めての21mmレンズ。ごく初期は寸胴なレンズデザインだったが、すぐにラッパ型の60Φレンズに変わった。云うことのない性能である。私が長く探していた球面の21mmカナディアンレンズなのである。どれも性能の良い21mmレンズ(アベノン、リコーGR、カラースコパー)とどう対峙するのかに興味がある。この時代まで一貫して超広角レンズ(15−28mm)に弱みのあったライツの面目はどうだったのだろう。これを扱うと少しスーパーアングロンに興味が出てきた。E60/カナダ/1980−1997。

E60もの大きな口径とそれに合わせた大げさなフード...ごく初期型はE49のelmarit28mm/3rdとよく似た寸胴の鏡胴であった。そのほうが良かったと思われる。先日elmarit21mm(初期型)の鏡胴に入ったelmarit28mmを見た。ややこしい話だが、鏡胴の横に「21」と黄色く印字されているし、どう見てもそのように見える...誰かのいたずらか珍品レンズなのかは不明である。箱付きの新品同様品なので性能さえ問題なければ面白い個体だと思われた。

京都府日吉ダムにて。このダムの完成で地元はうるおったが、人々の生活と川は少しばかり遠のいた。しかしここは行政と地元が長く話し合って作られたダムで、全国のダム建設のモデルケースともなっている。見てのとおりシャープな中にも軟らかみのある素晴らしい描写である(非球面レンズとは異なり少しは絞らないといけない=F5.6)。RA

ファインダーはGR21用、フードを着けるとCLEだと距離計の窓がかくれて測距不能となる・・・外せば可能。描写には何とも言えないようなトロンとした甘さがあり、旧キヤノンFD20mmのような味がある。ライカとしては異質とも言える。私の持っている21mmレンズはどれも個性的でいいレンズばかりだ(SA21-CS21-GR21-A21-E21)。

幸運により手に入れたLeica M-E Typ240に、2011年にOLYMPUS E-PL2用に買った外付けEVFを取り付けてみた(エプソン製でM240用のものと同等品)...何か設定やファームウェアが要るかも知れないと思ったが、無調整で使用ができることが判明…さっそく外に持ち出した(Leica M-E Typ240も初めての実写)。EVFは発売当時はかなり高精細な部類だったが、今となっては「取りあえず使える」レベルだろう。OLYMPUSのボディに取り付けたよりファインダー像はクッキリしない。しかし使ってみると、このEVFにはメリットがハッキリとあることが分かる。まずデメリットは、1.嵩張る。2.電気を食う。 メリットは、1.一応ライブで見られるためレンジファインダーの弱点である視差がなくなる。2.望遠レンズがフルフレームで見られる=ただしEVFでピント合わせをするより距離計で合わせた方が楽である。3.28mmより短いレンズを頼りない外付けファインダーでなく正確な画面で見られる(私はワイドを多用するため便利)。4.測光がマルチスポットとなり、普通撮影時の中央部測光より使いやすい。5.3にも通じることだがファインダーにフレームの出ない25mmだとか40mmや60mmなどの中途半端な焦点距離のレンズも勘に頼らず使えること(マウント遊びはしないので距離計連動のレンズに限った事だ)。 2/3/5は距離計でピント合わせをしてEVFで構図を決めるという手順となり面倒だが、古式のファインダー派の私にとってLVで撮影するより遙かに自然に撮れるのである。

近所の公園にて(無補正)。ボディのダイナミックレンジも想像より悪くない。周辺光量落ちはF8でもこれぐらい落ちる。落ちることを前提に撮影することだ。

8.フォクトレンダー=コシナ カラースコパー21mmF4L c 同社SS25mm.CS35mmCとほぼ同じ鏡胴で、私の好きなデザインであることと同時にコストを抑える(言い換えると儲かる)努力が見え隠れする。利益が出ないと消えていくのが現体制での宿命であることを考えると止む終えないと思う。本当は様々なデザインが試されて良いと思うが、取りあえずこの値段で提供されていることに感謝しよう。25mmと兼用の角形メタルフードが出たので着けてみるとよい。E39。

友人の経営する豊中の医院の屋上から。F5.6までは緩みがあるが、F8に絞ると全面に極めて硬質な画像が得られる。ほとんど歪曲はないと言っていい(ここではF16まで絞っている)。RDP-III

M3と組み合わせる。割にバランスがいい。しかしファインダーはデザインが少し合わないのと、前面が出っ張っているため傷がつきやすいだろう。使ってみると癖もなく率直にいいレンズだと思う(ずっと高価なライカレンズと比べるのはどうかと思うが、どう考えても同等に近い性能を持っている=反対にライカには独特の個性があるとも言える)。

ファインダーのデザインは少し好まないが性能は悪くない。性能は申し分ないのにレンズも含めて造りが軽い(質量の問題ではない)。コシナ・ツアイス(レンズ構成は異なる)になると仕上げは良くなったが、とたんに高価になった。

9.エルマリート24mmF2.8  C  2000年  非常に美しいレンズである。いわゆるニュージェネレーションのレンズデザインのうちで、エルマリート21Aと24Aのデザインは秀逸だとおもう。対称型にこだわった古いタイプや28−35mmの構成と違って、最初から前玉の大きな対称性を重んじてはいるがレトロフォーカスを前提のレンズである。その性能と共にデザインにもそれがよく表れている。私は対称型ワイドレンズの信奉者ではない。キヤノンFDやコンタックスRSTのワイドレンズを以前から使っていて、性能においても個性においても対称型レンズに劣後するとは到底思えない(つまりどちらも良いところがあるという意味)。ただし各28mmレンズと比べると画質的に多少落ちることは否めない...たった4mmではあるが、なかなかその壁を越えるのは簡単ではないようだ。長く24mmを開発しなかったライカの姿勢も理解できる=28mmの次には21mmで充分とのことである。E55/ドイツ

M3+キヤノン25mmの純正ファインダー。いいカメラ、いいレンズ...言うことは何もない、我が友ライカ。

ヘキサーRFに取りつけてみた。効果のほどは少し疑問があるが、フードも合理的なデザインである。キャップがスライド式にはめこむタイプで少し珍しい。なお、ヘキサーRFのフルファインダーがほぼ24mmの画角に一致し、実のところ買った理由もそこにある。ほぼ同じファインダー倍率のM6TTL/0.58はファインダーの前窓が小さいせいか、少し狭い範囲に見えるためヘキサーの方が使いやすいだろう。どうも外付けファインダーは肌に合わない。このレンズのおかげでヘキサーのスペアボディが欲しくなった。どうも仕事で野外へ持ち出すときには2台持ちたくなる。習い性と言うやつだ=結局購入=現在3台。

1月の道明寺「ウソ替え神事」にて。これはすべての面で優秀レンズ。癖がなさすぎてライカらしくないとも言える。

10. スナップショットスコパー25mmF3.5L c 1999 描写は15mmと同じ傾向だが、半逆光でややフレアがでる。見かけ上深度が浅いと感じられる。開放近くで多少周辺の光量が落ちるものの、1−2段絞れば問題なし。コントラストも解像力も25mmとしては高く(ただしコシナ=フォクトレンダーウルトロン28mmと比べると甘い)、実用性充分。21mmより画角のかげんで使いやすい。しかし目測はこの焦点距離でも絞りを開けると不安が残る(15mmと共に距離計連動は欲しい=21mmでは連動となり、消費者の声をよく聞いてくれていると思う)−特に近距離時。絞り開放付近で空からの光でフレアが出た。ヘキサーRFのフルフレームでなんとか使える。 フード組み込み。39Φ。

ベッサシリーズの最初のレンズである。コンパクトで良い性能、妥当な価格・・・ここからフォクトレンダー・コシナは始まった。

京都精華町東畑地区春祭り。距離感の誇張もここまでなら不自然と言うほどでもない。

P-II型を購入した。レンズ構成は同じとされている。しかしたぶん鏡胴だけではなくレンズそのものも改良されているだろう。なぜか近日中に35mmF1.4がコシナ=フォクトレンダーブランドで出るようだ(2008.2)。

11. アベノン28mmF3.5L c 1999 値段を考えると初心者には最適と思われる。絞りを2.5段絞ると良好。私のレンズはテストをきちんとしたため「当たり」だが、ある程度の製品の個体差があるだろう。最近マイナーチェンジされ、性能の事はよく分からないが「格好良く」なった。アベノンも21.28に次いで新レンズをそろそろ開発して欲しいものだ。43mm径。「カメラ談義」収録。

CLEに。このレンズの薄さがよく分かる。しかしどう考えても口径は40.5mmにできたはずである。前面銘板の白は面積が大きく真っ白なため、フィルターを取りつけた際の面間反射の可能性がある=買うなら黒レンズとするべきだろう。

雪の琵琶湖と船大工小屋。絞りを開けると周辺は光量が落ち、画質も崩れる。F8にはしたい。

カメラについているのは28mm・・・非常に薄い。置いてあるのが21mmなのだが、21mmの欠点と言えばこの大きさだろう。

最近(2005.12)黒の限定モデルを買った=ほぼ未使用品。これが出たときに「ハズレ」のレンズで、アベノンにお願いして上のノーマルレンズと交換してもらったモノと同等品である。アベノンのアニバーサリーモデルはよく分からない部分があり、なんとなくロットによって細部が異なる=このレンズは比較的性能が安定して合格ラインだった。径は43mmだが、ともかく薄くて軽い...野外向きのレンズか?

逆光には特に弱いので21mmと同様「要注意」だ。私は火線が好きなので、ピントさえしっかりしておればこの程度なら眼をつぶれるレベルだ。上の白レンズは絞りはF8が良く、こちらはF5.6がいい。

F8半...素晴らしいとしか言えない描写。白(旧)レンズも絞ると俄然イイ!

12.エルマリート28mmF2.8−2nd  1974年 私の持っているライカレンズの中では、最も気に入った性質をもっている。スーパーアンギュロン21・エルマリート21mm/1st、エルマリート28/2nd、ズミクロン35mm角付き6枚玉、ズミクロン50/2nd、テレエルマリート90/前後期・・・とライツレンズの第2世代のレンズに好みが偏っている。勿論性能のことではない・・・趣味の問題である。時代はM5の世代(M4/M4−2も含まれるが)で私が学生〜若手のカメラマンだった多感な頃ともだぶっており、当時の憧れが原因かもしれないし、そのとき芸術を学んでいた時代性が反映されているのかも知れない。E48またはシリーズ7フィルターであるが、フィルターは前玉が出ているため純正以外だとガラスとレンズが当たる。やはりスーパーアングロンと共用の12501フードにシリーズ7を挟んで使うのが良かろう。「カメラ談義」収録/1972−1979。

ヘキサーRFと。それほども感じないが、かなり大きなレンズだ。私は火線の出ることを利用しているむきがあるため、最近はフードはしないことにしている。

フードなし。フードのない場合は48-49mmのステップアップリングを介して49mmフィルターを取りつけるという手もある。それでフィルターが前玉に当たるのも防げるし、口径が先広がりになるため(ただしレンズ外径より広くはならない)ケラレもない(実はファインダーのケラレが大きいし、スタイルは気にしないので、最近はこの方法で使っている)。

富山・黒部川の霞堤にて。画像を軽くしてあるので分からないが極めてシャープである(勿論ある程度絞ったとき)。

このフードを着けるとファインダーのケラレが大きくなるが、いいスタイルであることは間違いないだろう。それにゴーストが結構出るので飾り程度だがないよりましである。

13. エルマリート28mmF2.8(3rd) b 1988 見かけ上の深度は浅い。開放で甘いが少し絞ると良くなる。レトロフォーカス系(厳密には極力対称性を保っている)なので周辺光量は充分。ライツのワイドレンズとしてはフラットフィールドな特性である。色再現も現代的だが、ライカらしくないとも云える・・・ファンというのは勝手なものだ。円筒形の寸胴なデザインで好みは分かれるが、角形のフードを付けると俄然格好良くなる。このバージョンも初期はもっと「腰がくびれた」デザインであった。最近このレンズを時々使うようになってきた・・・描写の性質の好みが時々振れてしまうのである。LEITZ銘の最末期のレンズ。1989年にはLEICAとなった。 カナダ/49mm径(どういうわけかこのレンズを48mmまたは46mm径と解説してある本がある)/1979−1993*

大阪市港区市岡の商店街にて。絞りを開けても周辺光量の落ちは少ない。トーンもマイルドで、ライカではなくツァイス的な風合いである。このためかも知れないが4thバージョンでは少し濃厚になった。torebi400

M6に。フードも含めるとかなり長いので扱いにくい面もある。しかしフードの効果は非常に大きく、思ったより画面のケラレは少ない(もちろん相応にケラレるのは当然)。ごく最近(2004.10)これを必要とする友人に、彼の持つレンズと交換した(この顛末は下記の通り「里帰り」)。

3rdバージョンが別なかたちで戻ってきた。二またでないピントレバー、「腰くびれ」の鏡胴デザイン、スリットのないLeitz Canada 刻印のフード・・・1979年製の最初期型の個体である(上の写真と見比べてほしい)。使い込まれたモノ(この頃のライカレンズとしては珍しい)で、あまり綺麗ではないが、私としては珍しくレアなレンズとなった=たぶんライカブームの終焉とともに「この手のレンズやボディ」が適価で出始めたということなのだろう。

近所の造成地にて。「今度の」エルマリート28mm/3rd、これだけでは分からないが新しい方のレンズより調子が硬い。綺麗な描写は後期型、シャープな描写は初期型ということだろうか? また公開するが初期型レンズのシャープ感は素晴らしい。

Mレンズ第三世代のレンズの最初期(1979)レンズが3本そろった。どうということはないのだけれど、デザインが初期型のみあとのレンズと異なり、特にピントレバーはそれまでの、そしてこれ以後の二股ではなく扇形の独特なデザインである。使いにくいと言うわけではないが、ユーザーには好まれず2年ほどで第二世代と同じ意匠に戻った。写りは初期はどれもピント重視の硬い傾向があり、あとの時代の方がややマイルド(当然軟らかいというほどではない)になっている。発売は、開始はどれも1979年だが、28mmは1993年、35mmは1997年、50mmは1994年(外装の変更のみと言われているが私は信じていない)に次世代のレンズ=現行品に代わっている。現在は大きく見るとライカレンズは第四世代と言えるが、どれも魅力・実力ともに満足できるものばかりで、第一世代と第四世代のごく一部のレンズを除いて持ち出すときの選択に迷いが出る。もちろん迷ったときは「新しい方」になる。この頃のカナディアンの勢いはたいしたもので、フードの「LEITZ CANADA」も誇らしい。

左1988年製、右1979年製の3rdバージョン。外見とフードのデザインだけではなく、コーティングもまったく異なる。友人のところへ行っていたレンズが帰ってきて、そこへ4thモデルが行ったのである。ここで書いておくが、3rd/4thいずれもいいレンズで、「同じレンズを2本・・・」と言うのは的はずれである。簡単に言うと3rdの方が使い方が難しいと思われ、アマチュアがエルマリート28mmを1本だけ持つのなら、4thが望ましいと考えてそのようにしたのである。ズミクロン35mmでも同じように6枚玉ではなく、私の持つ7枚玉を手渡した(もちろん売ったのではなく交換)。何が良いのか人によりなかなか難しいと思う=あれこれ言って、結局あまり機材を増やすのはどうかと思う。21/28/35/50/90mm各1本とTri-Elmar+ボディ2台が理想だ。したがってオールラウンダーのレンズ/ボディを選択すべきこととなる。

別の角度から…本体との兼ね合いで違って見えるが、フードは切り欠けのあるなしだけで同じ(ここでは逆に付いている)、マウント側も同じ絞り環が少し初期モデルが張りだしが大きいのと、鏡胴の細い部分が少し細くなっているだけだが、全体を見ると「くびれ」は大きく感じられる。

逆光も含めて性能は安定している。4thバージョンより素直な性質の絵である。言い換えれば国産の現代的な絵と変わらないとも言えよう。曽爾高原にて。

蔵王堂横にて。LeicaM9(elmarit28mmF2.8/3rdポジションあり)で撮っても周辺まで破綻はない。このレンズはLeicaM9によって蘇った典型である(フィルム時代よりイイ)。

14.エルマリート28mmF2.8 4thバージョン 1996  ひょんな事から私の元に来た。ライカの28mmレンズの意匠はどれも大好きである。後になるほど使いやすくなるが個性も減殺される。大きくて効果的なフード(反対に言えば逆光に弱いのかと思ってしまう)が1st〜3rdに比べるといかつい。フードの切り欠きは、ファインダーを覗いてみると視野確保に確かに効果がある。ドイツ/46Ф

左3rd、右4thバージョン。フード(12536)にはファインダー視野用の切り欠きがある。フードを取りつけた姿はあまり見かけないので比べてみた。実際に撮影するときはこの姿となる。どちらも少々フードは安っぽいが、それでもライカらしい合理性を保っている。この写真では分かりにくいが3rdの方がレンズ長がある。フードはどちらも深くて適切な形状を持っており効果は大であろう。しかしファインダー視野のケラレは程々に大きく、もう少しレンズそのものを短くするか、フードを簡素なものにするかした方が良いと思われる。それというのも逆光性能は昔の1st−2ndに比して大幅に改善されているのだから。国産のヘキサノンKM28やコシナウルトロン28のフードの方が好ましく思われる。実はズミルックス35mmASHPのフードが問題なく装着でき、少し浅いが全体にコンパクトに、ファインダーのケラレも小さく、見た目もスマートになる。更に4thにはヘキサノン用のフードが着けられる(ただしノーフィルターか薄型フィルターでないと四隅がケラレる)。ひとつだけ「おまけ」...全く同じ条件で撮ると不思議に4thの方が黄色に振れている(色乗りは良好...私はあっさりした味が好きなので使用上はなかなか難しい)。

別角度から…「腰くびれ」elmarit28mmF2.8がデザインとしてはパンチが効いている。実際の扱いも凸凹が多い方が使いやすいと思う…最近はフラットなデザインが好まれているが(2018.3.23書)…。

M6に。やや広角レンズとしては大きいが、なんとかスナップに使える範囲内に納まっている。フードはオリジナルのものが大袈裟すぎるので、現行ズミルックス35mmのものを着けている。口径もスピゴット式に締め付けて取りつける方法も同じで、かつケラれないためである。これで少しはスマートになったし、ファインダーのケラれも多少小さくなった。遮光効果の差異はよく分からない。昔に比べるとライカレンズも逆光に強くなったのか?

このネットリ感、悪くない・・・春から夏にかけてのレンズだろうか。

色々な事情でお嫁入り決定。すばらしいレンズだが大きすぎて(特に大きいわけではないが、フィールドではやっぱり大きい)使う機会があまりなく、使う人へ手渡すことにした。レンズは球面レンズ・・・これを忘れないで欲しい。2007.3・・・このレンズが友人のところから戻ってきた。私においてもデジタルが中心の昨今だが、やはりLeicaはLeica、量は減っても使い続けていきたいね。

3rdバージョンより「ライカ風」の写りだ。色も温色系だしピントの出かた、崩れかたなども多くの国産とはひと味違う=ただし性能全般としては同レベルだ。

富山・中島閘門にて(LeicaM9で)。elmarit28mmF2.8/3rdと比べると軟らかい描写だ。しかしご覧のとおり隅々までキチンと写る…このレンズは専用のポジションがあるので設定を迷うことはない。結局は射出瞳の比較的センサーまでの距離の短いレンズに周辺のマゼンタ色カブリが出やすいようで、35mm以上ならまず問題なく、28mmだと「薄いレンズ」に問題が出る可能性があるということになる。どちらにしても、実用性の高い28mmレンズは手持ち分だけでも早いうちに実写テストをして合否を確かめたい。

2016.7.17/Leica MEでテスト…さすがに純正レンズ・レンズポジション設定で破綻は何もない。デジタル時代のレンズに比べると線が太く、ある程度絞らないと(F5.6)解像力は期待できないが、収差そのものはフィルム時代の高級レンズなのですべてレンズで解決済みである。あとはセンサーやエンジンとのマッチングだけで、改めてLeica M9/ME/Monochromeを開発したLeica AGに感謝したい。多様なボディ機能のために実際は最新のデジタルカメラを使うことが多いが(「Leicaだけで仕事」は無理…)大事に老後まで使っていきたい。マウント遊びも流行っているが「基本はLeicaレンズ」でと付け加えておく。

15. ロッコールM28mmF2.8(CLE) b 1981 CLE以外のカメラに着けると35mmのフレームが出る。性能は年代を考えると非常に良いと云える。ただしライカではなくミノルタレンズそのものの性格を持つ。Gロッコールとも全く異なる描写である。たぶん一般的にはこちらが好まれるだろう。知人がベッサTに28mmファインダーを付けてこのレンズを使っているが良い使い方だろう。40.5mm径。

富山県庄川サケ採捕場にて。夕方の真横に近い光線だがハイライトもあまり飛ばず、シャドウも潰れない。普通のライカで28mmフレームが出ないことを除けば、かなり28mmレンズ中でも上位のランキングだ(特にこのレンズの出た1981年頃なら最強かも)。フレームの問題で使うチャンスがない(私は外付けファインダーは避けたい方なので不可である)。

こうして見ると感じないが、少しCLEには大きすぎてバランスがとれないように思う(これも使わない原因のひとつだ)。

EPSON R-D1に取り付けた…この組合せはとても相性がいい。APSとなると42mm相当画角で、等倍ファインダーのこのボディには使いやすいことになるのである。Leica Mボディと異なりEPSON R-D1はフレームは手動式のため、ほぼファインダーいっぱいの視界となる。

テストでも600万画素とは思えない性能を発揮した=フルサイズのイメージサークルの中央部を使うのだから当然と言えるが、同格のデジタル専用レンズと比べても劣らない画質だ…ハイライトはレンズのveiling glare(たぶんこちら)のせいかボディ内部の反射防止対策のせいか滲んでいる。

16. ロッコールG28mmF3.5L c 1998 コントラストが非常に高く、青玉。周辺光量の落ちは比較的大きい。中央部と周辺部の描写に差がある。GR28と対照的に現代のレンズとしては癖が強い。糸巻き型の歪曲があり、縦位置では要注意。フードは全く不要。2002末現在、まだ新品が売れ残っており、8万円前後である。もう少し見切るならもう1本欲しいところである。実は私は28mmではGロッコール、リコーGR28、トリエルマーをよく使うのである(最近はより新しく、より煮詰まったヘキサノン28やウルトロン28、隠し玉キヤノン28/2.8をよく使うが・・・)。トリエルマーは3焦点で使いやすいことによるもので、あとの2本は性能が良くてコンパクト、個性が対照的であることによる。絞りは開け気味の方が綺麗な絵になる(絞ると特徴が薄れて線が太くなる)。40.5mm径。薄型のミノルタACフィルターを着けないとフードを着けた際ケラレるかもしれない。

CLEに。大きさ・軽さともにマッチングはいい。暗いレンズだが、F5.6以下で真価を発揮するため問題はない。鉄腕アトムの頭のような形のピントレバーが個性的(使いやすい)だ。

信貴山朝護孫子寺にて。春のお山はどこでも美しい。個性的なレンズでF4からF5.6までで使いたい(それで充分なピントが来る=私はF5.6より絶対に絞らない)。それ以上に絞ると線が太くなり特徴は薄れる。

「おふさ観音」にて...絞りを開けたほうがいい描写をする。暗めのところや低感度フィルムにはとてもいいレンズだろう。RVP50

Leica M Monochromeで京都を撮る…カラーだとどうしても周辺にマゼンタかぶりが見られるがモノクロだと平気だ。vignettingの悪さが出て周辺は流れ気味だが、minolta G-rokkor 28mmF3.5=このレンズなかなかに良い味を出す。

Leica M Monochromeに取り付けた…口径40.5mm。

レンズ後端が突出しているが後ろのレンズガードの切り欠きにより、M9やM7でも露出計の光路を妨げず、AEも大丈夫である。私は現在(2018)Leica M Monochrome専用に使っている。

17. リコーGR28mmF2.8L C 1998 私の持っているライカを除いた28mm玉の中では最良級(逆光ではヘキサノンKM28が一番であるが)の描写をする。ただし私の目的と技術にかんがみての事である。個性という点では欠けるかも知れない(絞っても画質が落ちない)。限定レンズだが実用レンズである(白と黒を持っていて、どちらもいい雰囲気である)。ただし逆光ではGロッコールがやや性能低下が少ない。40.5mm径。

ヘキサーRFと。コンパクトで適切なリングやレバーの配置など、フィールドワークでは最も使いやすい。実際に28mm中では使用頻度がNO,1である。

富山県小矢部川にて。川漁師は自転車で気軽にやってくる。薄曇りだがピチンと写る。私を裏切らない貴重なレンズである。限定レンズなのでスペアにもう1本もっている。RA

ライカMP/0.58に取りつけたGR28mm。ライカ純正レンズ以上に最近のライカのシルバークロームメッキの質感とよく合っている。

G28(右)とGR28(左)。口径も長さもほとんど同じぐらいで、材質がアルミ系のロッコールG28mmF3.5がぐっと軽い。鏡胴色はGが少し黄色い(ズミクロン35/8枚玉などと似た色)。feet表示等が黄色のペイントで、距離レバーも形が個性的で軽快さをアピールしている。性能の判断は難しいが、デザインはGRがやや保守的で、Gが進取的である。

LeicaM9と組み合わせて(琵琶湖遊覧船ミシガンにて)、ピントは周辺までビシッと来るが周辺にマゼンタのカブリが少し見られる(elmarit28mmF2.8設定)。これからのボディ側のセッティングでどう煮詰められるかだ。

設定をelmarit28mmF2.8ASPHにしたらマゼンタ転びがなくなった…その代わりvignettingが悪化し周辺が暗くなった(しかし「味」と割り切ろう)☆

東京駅日本橋口/Leica M Monochromeで撮影…モノクロで撮るのも味があって良いだろう。ほぼ完璧な画質である。

18.コシナ ウルトロン28mmF1.9L c 2001 これも最新鋭のハイスピードワイドレンズ。飾りのようなピントレバーが付いているが役には立たない(私は付けていない)。まだ持ったところだが少し期待している。最初のテストの結果、絞り開放ではさすがに甘く、周辺光量もかなり落ちる。F2.8−4で両方とも大幅に改善され、あとは深度が深まるのみである。コシナに共通の青みは改善されている。鏡胴の仕上げも良くなっており「安い」だけではない好感が持てるレンズである。テストは続行する・・・28mmの決定版(勿論その1本)になる可能性もある。それにしてもこの数年ブームとは言え、各社のL−Mレンズの進歩は早い。私も少し以前のGR28−G28の路線から、ウルトロンとヘキサノンの28mmに重点が移ってきている。「カメラ談義」収録。 E46

M6クロームとはよく似合う仕上げである。少しシルバーに黄色みがあるのだろう。

完全逆光でもフレア・ゴーストは少なく、このような条件でもなんとかハーフトーンまで出せる。

造り込みはかなり上等で、見た目だけではなく使い勝手も含めて、コシナ=フォクトレンダーレンズ群の中でも上位に属する。ある意味ではライカより上だろう。

19.コシナ=フォクトレンダー カラースコパー28mmF3.5L C  生産の遅れていたレンズがようやくやって来た。テストはこれからだが外から見る限りすこぶる好ましい。まず非常にコンパクトで往年の赤ズマロン28oを連想させる。少し絞り環あたりにその雰囲気を持たせているように感じられる。50mmF2.5に続き性能だけでなく質感や意匠にも気を遣っているようだ。そしてコンパクト化...これも重要だと思う。多少暗くても、小さくて諸収差も適度に良好な補正のできる、このようなレンズを望んでいた。しかもこれらは「現代のレンズ」なのである。ちなみにウルトロン28mmと比べると容積で40%、質量で60%である(約の値=真鍮製なので比重は大きい)。テストの第1弾報告=カラースコパー50mmF2.5と似た結果が出た。少し今までより低いコントラスト、線の細い描写、少しクラシックな絵を作る。周辺光量はやや落ちるが好ましい描写特性と感じる。シャープさという点では現行の各社レンズ群に劣後すると思われるが、階調の豊富さ/線の細さという点では50mmと並んで捨てがたい。E39

なんとなくM6とはデザインが合わないが、これは小さな問題で、コンパクトなことは良いことだ。仕上げは今のライカボディのクロームと似ている。

大阪/大正区にて。現代レンズとしては比較的軟らかな絵を作る。

ブラックペイントモデルを買った=ついに「在庫処分、半額奉仕」である。白レンズは持っているが、こんな時日頃世話になっている店に協力するべきだと思った。レンズが私の持っているもののなかで最もコンパクトで、CLEにつけてさえ小さいと感じる。

LeicaM9で如意輪寺へ。このレンズはリコーGR28mmやGロッコール28mmと違って、さすがに新しい設計(そしてMLeica専用設計)のレンズである、周辺までピントも色味もバッチリだ(例のマゼンタカブリは見られない)。コンパクトでリーズナブルな28mmレンズとして大事な発見である。これで大型のelmarit28mmF2.8やヘキサノンKM28mmF2.8の出番が減ることになる(^_^;)

Leica M9/MEとは相性が良く大きな問題もないが、EPSON R-D1ではこのとおりである。大きく周辺光量が落ちる=このカメラではレンズ設定が変えられないためフルサイズ→APSにもかかわらずである(解像はしている)。minolta M-rokkor 28mmF2.8に比べると使えないレンズとなる。2016.7.17

20.オリオン28mmF6L  C  ご存じソビエタンクラシックレンズ。古いと云ってもこれは1971年製である。更に古いものと比べるとコーティングが異なり、さすがに新しいものが派手なコーティングとなっている。あとは外装のアルミの仕上げの光沢が違う(新しいから光っているのではない)。見た目とは違って「良く写る」が、F6開放では周辺が崩れ、せめてF8には絞らねばならないだろう。絞り開放値F6と云うが、絞り羽根はレンズ前面から見ると本当の開放まで開かず、もし全部開けられたらF4.5程度になるだろう。この時代のレンズによくあることだが、周辺部に欠点があり、わざと絞りをF6に規制して周辺からの光束をカットしたのであろう。

キヤノンPに取りつけた。非常にコンパクトなので(性能も暗いこと以外は大きな欠点はない)昔は意義もあったのだろう。絞り調整はレンズ前面から指を入れて行わねばならず不便だが、絞り優先AE機の出現で多少は緩和された。それにしても前世紀の遺物的なレンズである。4枚構成のトポゴンタイプで歪曲を小さく、その代わりF6と云う暗さ、現代のレンズが解決済みの問題を具体化した昔の技術の成果なのだろう。いわば「新品で買えるクラシックレンズ」である。現在この手のドイツその他のレンズが高値である以上、研究用には重要だろう。ただし使用上の差し支えは保証できない。今回のカラースコパー28mmF3.5の出現によりロシアンレンズの「値段」の魅力もなくなって、このレンズの必然性も無くなったようである。

豊中にて。色は地味である。F8まで絞ればピントは来るし、妙な癖もない。

ヘキサーRFに。格好のいいレンズではないし、仕上げも操作性も良くない。しかしちゃんと写る。古い国産のレンズと比べても遜色はないだろう。

2016.7.17/Leica MEで撮影(絞り開放)…天気が悪いだけではなくモノクロ時代のレンズなので色味は良くない。おまけに空からの光の内面反射があるのかAE撮影なのに露出不足となる。しかし緩めながらピントは悪くないし、単純な4枚構成のレンズとしては周辺の像の流れも最低限だ。F8-11まで絞ると更に良くなる。

21.リコーGR28mmF2.8L  b 1998 17.と同じレンズだが28mmレンズ中では特に気に入っており、偶然ある店で黒の新品(もう1本は白)を見つけたため(実は黒を探していた)、衝動的に買ってしまった・・・ご愛敬ということである。E40.5。

ベッサR2Aに。まだ黒レンズはほとんど使ってはいない。先に買った白レンズは28mmでの使用頻度No.1だが、まったく傷まないため順番が回ってこない(最近絞りリングに微かなガタが出てきた/2005.11)。あと7−8年は死蔵されるだろう。

白と黒。実際にカメラにつけると雰囲気は色によってずいぶん違うことが分かるだろう。

お蔵入りしていたRICOH GR28mmF2.8黒レンズが、ついにLeica M Monochromeで使うことになって日の目を見ることとなった。白レンズはLeica-M9/黒はLeica M Monochrome…フィルターをY2かPO0にするために共用はできないのである。このレンズはLeicaで最も(つまりは生涯で)多く使ってきた28mmなのでモノクロでも使いたいと思ったのである。

22. キャノン28mmF2.8L(タイプT) c 1957− 古いレンズだがエルマリート(3rd)と同等の良好な描写。比較的トーンが軟らかく使いやすい。個性に欠けるきらいはある。でもこのレンズは隠し玉である・・・いずれその意味も詳述したい。40mm/1957−75。*最近(2006.8)友人にヘキサーRFのサブボディとともに譲った。

キャノン28mmF2.8(左)とF3.5どちらもその時代を考えると素晴らしいレンズである。

CLEに取りつけた姿。かなり薄いのがわかるだろう。真鍮製なので見た目より重いが、扱いは同時代の他社のレンズと比較すると良好である。どのレンズとも似ていないレンズ構成で、かなり強い凹メニスカスレンズの内側に凸メニスカスを貼り合わせるという、かなりの離れ業をやってのけている。F3.5はガウスタイプだが、当時として先進的なこれは、ほとんど同じレンズ口径・全長で明るさと薄さを両立させている。フィルター径は40mmだが、これはこの時のキヤノンの標準径が40mmだっただけである。下に置いてあるのは純正の薄型40mmフィルター。

キヤノン28mmF2.8/吉野蔵王堂にて。最悪の天候だが軟らかみがあり、それでいて細かなところまで写るいいレンズだ(キリキリとしたものは軟らかく溶かす味)。さすがに仕事では使わないが、28mmレンズの普段レンズとしては使用頻度が最も高い。独特のレンズタイプのせいだろうが周辺光量の落ちは最小限である。40年も前のレンズだとは到底思えない。

LeicaM6トラベラーと。ライカボディとのマッチングもかなりいい。大きさ/重さともちょうど良い。

23.キヤノン28mmF2.8L  C  1960年代後半?  22.のレンズと同じレンズであるが、タイプが次のものになっている。22.がオールクロームに対して、これは軽合金部品が増えている。レンズコートも少し違いがある。「はずみ」で買ってしまった。40/1957−1975

純正の40Ф薄型フィルターをつけてみた。この写真では分からないが、かなり薄いレンズでCLEとの組み合わせではとてもバランスがいい。22.と比べると絞り環のデザインと材質が異なるのが分かる。

京都駅にて。このレンズは新しいタイプのほう=新旧で描写に少し差がある。新しい方がヌケがよく、逆光にもつよい。ただしピントの固さは古い方がピチンとくる(少しザラザラした感じだが、これもそれなりにいい味だと思う)。

M4−Pに。露出計の付かないMボディでは、結局これが一番良さそう。M4のコストダウン版とも思われているが、28/75mmのフレームが出ることとホットシューが付いていること、これらだけで決定的な差が出る。セルフタイマーは要らないし、簡便化されたフィルムインジケーターも取ってしまった方が良かったとすら思う。28mmの小型レンズをくっつけて、ポケットにカードストロボを放り込めば、私の行きたいどこへでも入っていける。

24. キャノン28mmF3.5L(タイプ1) c 1951−57 きわめてコンパクトで、CLEには純正のMロッコールよりこれがよく似合う。浅絞り時、中央部は良いが周辺に画像の崩れと光量の低下が出る・・・これは絞っても完全には解消されないがF8で充分実用になる。この時代のキャノンとしては珍しく結構派手な色が出る。「カメラ談義」収録。34mm径、またはA36。

完全にポケットサイズとなる。大きさだけだと私の常用するミノルタFメーター3と同じ大きさで、露出計代わりにポケットに入れて持ち歩きたい。

ヘキサーRFに。相当小さいことが分かる。大きなボディにつけると扱いにくいぐらいだ。やはりCLEがいいだろう。

どうだろう。バランスが取れたいい絵を作る。こんなつまらなく見えるレンズが当時の「世界最速の28mm」であり、今でも通用するところにレンズの不思議さがある。

25. ビオゴンG28mmF2.8L改 c 1999 温調(マゼンタ寄り=私は好まない)な色再現だが、色の階調性に優れる。シャープさでは疑問が残るが、まだ使いこなせていないレンズである。T*侮るべからず・・・階調性に魅力があり、使いたい気分になってきた。不思議だがG−1で使った同じレンズより明らかに軟調である。鏡胴が太くゴロゴロして扱いにくいが、改造レンズ(アベノン)と思えば許せる範囲内であろう・・・ピントは良く調整されている。私のアベノンへの恩返しの購入である(「カメラ談義7」参照)。46mm径。純正フィルター装着+ヘキサノンKM28mm用フードでケラレない。

京都/近所の運送会社の倉庫にて。暖色系統が美しい発色である...ボケ味も28mmとしてはマイルドで好感が持てる(しかしT*は奥が深くてなかなか使えない)。

M7と組み合わせたが、やはり改造レンズの弱みでバランスが悪く、仕上げも改造部はやや落ちる・・・純正フード付きの図。

左がビオゴン28mmF2.8L改(フードはヘキサノンKM28mm用)、右はコムラー135mmF3.5L。両方ともまとまった良いデザインである。私としてはチタンカラーはもうひとつ好きになれないが、最近の流行であることは認める。チタンで思い出したが、M6(前のモデル=いわゆるクラシック)で今でも(2001.5.25時点)新品で手に入るものがM6チタンである。少し高いがM6TTLに疑問を持っていて、新品モデルにこだわる人にはいいカメラだと思う。私はチタンカラーを好きになれないので興味はないが、オーストリッチ仕上げも含め悪くない。

リコーGXRと。レンズ後端が突出しているので露出計が正確に動かなかったレンズがセンサー感知のデジタルカメラによって完全にAEその他ライブで可能となった。

26. ヘキサノンKM28mmF2.8 b 2000 現代のワイドレンズとしては軟らかく線の細い描写で、かなり評価しているレンズである・・・ただし大きいので使用上は敬遠気味である。ライカレンズより優れている点は逆光時でもフレア・ゴーストや画質低下が非常に少ない点で、これは私の持っている28mm中最優秀である。注意点としては近距離撮影時糸巻き型の歪曲収差が出ることだ。フードは格好が良く、現行エルマリート28やビオゴン28など46mmのフィルター径のレンズに使用可。エルマリートではフィルターを着けたうえでフードを着けるとケラレるようである。現在薄型の枠を持つ46mmフィルターはミノルタのACフィルターのみである・・・他は中古品にはある・・・これでケラレない。

フードを除けばそれほど大型とは言えない。これも中古で良品が出ているのでお勧めのLeicaマウントレンズである。Leicaのようなピントレバー式ではなくヘリコイドリング式でピントを合わせる=これは好みといえる。2018.3.7記載。

晩春の京都東山にて。少し分かりにくいが極めてシャープでコントラストも高い。RDPで撮っているのでややハイライトが飛んでいる。

観賞用としてはいいが、このフードはやはり大袈裟だ。多少無骨だがエルマリート28mm/3rd-4thのような実用的な角形がいいだろう。

左から35−90−50−28mmで、28mmはやや大きいレンズだがKM35mmと比べるとバランスはとれている。私の持っている28mmレンズの中では最もいい物理的な性能を持っている。

どういう訳かM4−2に(このボディには28mmのフレームは出ない)。少しレンズは大きいと感じるが、歴代エルマリート28mmも大きさは変わらない。

LeicaM9に付けて奈良・頭塔へ…このレンズは周辺部のマゼンタカブリもなく(ポジションはelmarit28mmF2.8/asph)落ち着いた絵となる。elmarit28mmF2.8/4thと比べるとやや硬い印象がある。

27.コムラー28mmF3.5L  1963− 友人と自分の手持ちのレンズとで交換した。発売当時14800円の28mmとしては廉価版のレンズ。比較的新しいレンズなのだが、機構的には古いレンズである。レンズ先端に絞り環があり、そこに穴が開いていて絞り値が見えるという仕掛けである。そして内側に48Ф、外側に55Фのフィルターネジ。他のメーカーなら10年は古いスタイルなのである。しかし別の見方をすればモダンクラシックレンズの典型的なレンズとも見える。レンズは黒メッキ(一部ペイント)だがキャップは黒塗装である。操作性、外見共にコムラー35mmよりは洗練されている。口径の大きさはレンズエレメントの小ささを見ると何ら必然性はないのだろうが、確かに重厚感と当時の「超広角レンズ」の特殊性を強調させている。雰囲気はロシア製ルサール20mmとよく似ている(これもこけおどしか?)。愛すべきオモチャレンズである。35mmもそうだが、これで案外「写る」のである(むろん上等とまでは言い難いが)。 

かなりの大口径だがレンズ前玉は極端に小さい。このあたりの虚勢がオモチャレンズの面目躍如なのだろう。しかし34Фの35mmレンズよりは確かに格好いい。ただしレンズの径が大きいのでレンズ脱着ボタンと干渉するボディがある(カラーのついたボディはアウトで、あとは脱着の際擦れる程度)。CLEが最もボタンが薄く取り外しがし易い。写真ではキヤノンの往時の薄型フィルターをつけてみた/案外格好良くなる。実写では口径蝕により劇的に四隅の光量が落ちる。真ん中は開放からピントが良いが、周辺は知ったことではない(F8まで絞らないと周辺は心許ない)設計である・・・おまけにかなり黄色く、ピーカンは別として少しでも色温度が低くなると全て夕景色になる。コムラーの3本は(28/35/135)はどれも同じ傾向で、使いようでは面白いだろう。これも「カメラ談義」の対象である。写真家の友人もこれを見て「懐かしい」とのことである。修業時代みんな高価な純正レンズ(ライカだけではなく、ニコンやキヤノンでも)が買えず、手持ちレンズに必ず1本や2本は入っていた廉価版のレンズを作っていたのである。かくゆう私もミノルタMCマウントでコムラー24mmとタムロン35−70mmを持っていた(超広角とズームの純正は特に高かった)。

M4−Pに取りつける。こうなると珍妙さは影をひそめ、Lマウントコムラー末期のレンズであっただけに仕上げは比較的よくて(アルミ系統の素材にブラックペイントとブラッククローム仕上げ)、案外重厚そうになって見える。レンズ脱着ボタンのカラーのついているボディはレンズ基部と干渉するため(ギリギリなので個体差でクリアされるものもある)28mmフレームがあるボディではM4−P、CLEとなる。ヘキサーRFはボディ内部の何かがレンズの後枠と当たって着けられない。

瀬戸内。向こうに見えているのは家島。絞れば案外キチンと写る。F8以上できればF11だ。一眼レフ時代には24mmまでで実用的な記録写真を撮っていた(RFになってからは概ね28mmまで=外付けファインダーが煩わしいため)。

28.キヤノン25mmF3.5 C 1956−1975  出た当時は明るい超広角レンズとして名をはせた。1953年、ニコンから25mmF4が出された事へのキヤノンの対応だったのだろう。同じトポゴンタイプだが、キヤノンは4群4枚の基本的な構成の後に補正用の平行ガラスを1枚据えていて、明るさも半絞り明るい。デザインもモダンな同時期に発売されたキヤノン28mmF2.8と似たモダンなデザインである。キヤノンのLレンズとしてはロングランで、最後まで目に見えるモデルチェンジはなかった。発売当時の価格はファインダーとのセットで\32,000と、同時期の35mmF1.8と同じぐらいだ。E40

ヘキサーに取りつけた。ファインダーフルフレームが25mmに「だいたい」相当し、人混みを前進しながら撮影するのに適している。しばしば指や服の袖が写り込む。今回たいへんなミント品がファインダー付で見つかって満足している。

慣例により左が前。この時代は25mmというとこのようなシンプルな構成となった。収差補正より、とりあえず広い画角が欲しかったのだろう。おそらくもっと複雑な構成になると、かなりのコスト高と高次の収差がかえって助長されたのであろう。 

 遠距離のピントは心許ないが、中近距離では線の細い、この時代のキヤノンレンズの特徴がよく出ている。ただし周辺が甘くなる傾向があるので、最低F8には絞りたい。ここまで絞ると周辺光量の不足も目立たなくなる。シンプルな構成のせいか、ヌケはよく、半逆光でもハレっぽくない。コントラストが低いので、絞りを絞ることとあいまって晴れた日に野外へ持ち出したい。私は24-25mmが必要なので、エルマリートの重さを嫌い、スナップショットスコパーの距離計非連動を嫌ったのである=どちらも性能ではキヤノンよりかなり上。突撃レポーター用のレンズだと思う。

ファインダーと専用の超薄型フィルター。レンズは極端に薄く、それでいてレンズ後端の出っぱりは少ない=もちろんライカM6系やヘキサーRF、CLEなどの露出計のセンサーの光路をさまたげない。回転ヘリコイドなのが少し使いづらいが、距離計には完全に連動する。シリアルナンバーから推測すると比較的初期の生産品と思われる。マゼンタ、パープル、アンバーのたいへん綺麗なコーティングで、最後の平行ガラスはレンズというより、トプコンRE2.5cmF3.5と同じようなバックフィルターのように見える(もちろん違う)。

古き良きレンズ2本。

29.コシナ・ツアイスbiogon28mmF2.8ZM  2005  つい最近出たレンズである。ボディがなくてレンズだけが、しかもさみだれ式に出される不思議な現象だ。コシナがツアイスの何らかの(もしあればだが)ノウハウを得て、コストをかけて、しかも「大きくてもよいレンズ」で作り上げつつあるレンズシリーズである。100年以上も続いた銀塩カメラの最後の最後で、ライカとツアイスは連合したことになる。まだ未テストだが、風評にもあるとおり素晴らしいレンズだろうと想像できる。レンズの造りも良くて黒はペイントである。残念なのはピントレバーが小さくて形状も使いにくく、むしろピントリングで合わせる方がいい点と、レンズ先端部のピカピカのリングだろう。これはコシナ・ツアイスだけでなく、最近のコシナ=フォクトレンダーレンズでも採用されている仕上げである。別売のメタルフードもコシナ=フォクトレンダー用のものよりずっと高級感がある。評価はこれからだ。E46

M7に。やはりかなり大きいレンズだ。これでもこのシリーズの中では最も小型である。RFボディにはレンズ鏡胴による視野のケラれという難点があるのだから、大型化は広角系にはあまり好ましいことではない。レンズを大きくとれれば(特に長さ)設計が楽だと聞いたこともある。そのとき「ツアイスのように大きなレンズでも許されるのなら・・・」と言っていた設計者の夢がついに叶ったと言うことだろう。なぜかRTS系レンズでもそうだったように、ずっと以前からツアイスとなると「大きい重い」が許される雰囲気があったのである。

フードを取り付けると先端のピカピカリングも見えにくくなるし、雰囲気も仕事道具風になる。レンズの前/後のキャップにも「zeiss」の刻印がある。

非常に大きく見えるが、デザインのせいでもあり、実際はエルマリートやヘキサノンの28mmと変わらない。21/25mmは外付けファインダーになるだろうし、問題は35mmだろう。1/3間隔の絞り環も実用性はともかくとして、なかなかマニアックである。青色の脱着指標はあまり見やすいとは言えないが、これはこれで「こだわり」としておこう。

テストの結果。すさまじいばかりのシャープネスだ・・・28mmの標準的なレンズとして勝負ありといったところだろう。もう高価なライカレンズは「実用としては」要らないだろう。もちろん製品としての魅力はシャープネスだけではないので、ライカその他のレンズも生きていけるだろうが。コシナ=フォクトレンダーレンズが出たときより衝撃は大きかった。同じコシナが作っていてもコストのかけかたが違うのだろうか。

30.コシナ・ツアイス biogon 25mmF2.8ZM  2005  さて25mmは比較的早くに入ってきた。テストはこれからだが、biogon28mmの結果をふまえると写す前から判断可能なのだろう。もしこれからライカマウントカメラを始めるなら(そんな人は居ないのは承知)コシナ・ツアイスのレンズを躊躇なく選び、あとは趣味的に好みのレンズに触手を伸ばすべきだろう。

レンズのデザインは28mmと同じだが、だいぶ長くなっている。口径はE46と同じだ。

若狭富士(青葉山)の見える若狭の寂れた海岸にて。曇天でも高いコントラストでクッキリと写る。シャープ感だけならeimarit24mmより上だろう。

Summicron28mmF2ASPHで奇麗に写る…elmarit24mmASPHポジションではvignetting補正過剰で周辺が明るくなりすぎる。不自然と云うほどではないもののスーパーワイド独特の中央に引き込まれるような効果が薄れてしまうのである。

31.カールツアイス ビオゴン21mmF4.5M改  オリジナルのレンズは何のものかはZeissのことを知らないため分からない。どうも1950年代初期のものらしい。レンズコーティングもあるし、鏡胴などの仕上がりも悪くない。ただしZeiss独特の癖のあるデザインで、ヘリコイドリング(回転ヘリコイドながら距離計連動になっている)と絞りリングが先の方にタイトに設定されていて、使いやすいとは言えない。テストはこれからだ。  E40.5

M3に。操作性は悪いがデザイン的なおさまりは良い。ファインダーはアベノンの旧型モデル、これも見えにくい。ピントリングは先端の細い帯(一番太いリングは単なる飾り=せいぜいがレンズ脱着用の指掛かり)で、更に先端の黒いリングが絞り環である。フィルターを着けてそれごと回すぐらいでないと操作はできにくい。しかも回転ヘリコイドのため絞りを先に決めてからピント合わせをすることになる。

レンズ後端は突出しておりM6でのTTL測光は無理である。しかしスーパーアンギュロンほどではないため、ベッサR系のボディには着けられる(実験済み=露出計は働かない)。Mリングはくっついていて外れない。そしてレンズ後端は凸に出ているので傷に注意しよう。

まあこんなところだろう。F8には絞らないとピントが来ない。

珍しいレンズなのでもう1枚。

近所の土砂採取地で。予想どおりたいしたことはない。とは言っても時代を考えると充分とも言える(実用的にはOK=今のレンズが良すぎるのだろう)。このレンズより後、28mmレンズがスーパーワイドと呼ばれていた頃の国産一眼レフ用レトロフォーカス20mmレンズ(1960年代)と比べると断然いい。色が赤いのは夕暮れのせいだけではない。実際にやや黄色味が勝るレンズだ。

32. ズマロン28mmF5.6(赤ズマロン)  1962 ライカがMになってからの1955−1963年に全部で6228本生産された。
Lマウントであるだけではなく、デザインや操作性もバルナック時代のレンズそのものである。このレンズのひとつ前のヘクトール28mmF6.3に比べると、画質・明るさ・操作性ともに進歩したが、あまりにも当時の最新のレンズ(ニコンやキヤノン=F2.8−3.5が普通)に比べて格段に遅れたスペックだった。そのためか生産本数が少なく(つまり人気がなかった)現在は高値となっている。ズマロン35mmF3.5と似ているが、直進ヘリコイドとなったため操作性はこちらの方がいい。画質は1段絞れば(F8)悪くない。色の濁りも風評よりは感じられないし、周辺の写りも癖があるものの(なぜか貼りついたような絵となる)極端に悪いわけではない。同時代のキヤノン28mmF3.5と同2.8の中間といったところだろう。ただしかなり個体差があると予測される・・・このレンズに限らず同時代のライカレンズは、私の経験でも風評でもレンズの評価の意見に異同がある。 フィルター径は34mm

最近は多少安くなってはいるが、他のフィルムカメラ用のレンズと比べるとLeicaは高い。フィルターはキヤノン純正の超薄型=以前このようなタイプのフィルターを出していた(モノコート)。

とても小さく、とても造りがいいレンズだ。ソビエトレンズのオリオン28mmと似たような設計のレンズで、写り具合も大きくは変わらないが、製品としての完成度は価格差を感じさせるものである。

LeicaM9にて撮影…このレンズも蘇ったと言いたいところだが、順光では申し分ない性能を発揮するものの逆光(ゴーストではなくフレアの発生と画質の低下が問題)では使用の水準に達しない。

まぁこんなところだが(明らかにたった10%の面積の木漏れ日がフレアになっている)最新のレンズと比べると具合が悪い…何か方策を考えないとダメだ。

このように半逆光だとハイライトの滲み(決して軟調ではなくデジタル的に覗くと「滲み」だ)が軟らかさをかもし出して良い雰囲気となる…つまり「昔レンズ」は目的と技術にてらして使うことだ。これには経験知と光学の知見が必要となる。

33.コシナ=フォクトレンダー ウルトロン28mmF2  2008.8、とても良い性能のウルトロン28mmF1.9に代わって登場。デザインを除くと、非球面レンズ使用から非使用になったと聞いている。デザインは35mmF1.4などと同じように古い時代のライカレンズを彷彿とさせる。性能はいいに決まっているが、特に良かったF1.9との比較が楽しみである。 E46

LeicaMP/0.58i取りつけた。eimarit28mmF2.8/1st-2ndと酷似したデザインだ。速写ケースはA&A製で、ボディとピッタリ(取り外しがしにくいぐらい)なかなか具合がいい・・・青・茶・黒あり。

富山〜能登を訪ねた…たった二日間の旅だが、あっちこっち寄ってたくさんの人と話して、なかなか充実した旅であった(@_@) これは旅の最後…能登鹿島駅、今回で三回目の訪問の「サクラの駅」、旅の最初からここで旅を終えることに決めていた…2011/4/17 pm6:22  LeicaM9+新ウルトロン28mmF2(もの凄いピントが来る)

34.elmarit28mmF2.8/asph

LeicaM9用レンズの第2弾、elmarit28mmF2.8/asph(写真はM10)。あまり市場に出回っていないので不明だった専用フードは何と(^_-)summicron35mmF2/7枚玉と同じものだった(高価なsummicron28mmF2/asphのフードもelmarit28mmF2.8/4thの流用だった…コストを抑えるためか)。このレンズは現行ライカレンズ最小だし、歴代elmarit28mmF2.8の中でも最小(特に短い)だ。旧LeicaAG最後のレンズの1本で、ないと思っていたのが1本だけ問屋の倉庫に眠っていたもののようである。上のウルトロンを買ってから2年以上経って、ようやく新28mmレンズだ。 さてこれを持ってフィールドへ!

適度なコントラスト・感色性、さすがに完成度は高くLeicaM9との組み合わせでも言うことはない。

連休の混雑を避けて、5/1−3で越後荒川へ行った(やはり行きも帰りも渋滞に巻き込まれなかった=そもそも田舎から田舎への旅が多いので都市近郊の渋滞には無縁)。今年の冬は奥山に雪が多く、その雪解け水(ユキシロという)が怒濤のように中流の堰堤から流れ下る…22年に渡って通ってきたフィールドだが、今年のユキシロは最大である。おかげでイサザもマスもまったくの不漁(3月の寒マスは良かったようだ)、魚券を出しているサクラマスの釣り人もさっぱりダメで連休というのに人影はまばらである。  LeicaM9+elmarit28mmF2.8/asph…バランスの良いレンズだが周辺光量はやや落ちる(F8)。

34.スーパーアンギュロン21mmF4  1959年モデル

見た目の程度はあまり良くない(とにかく古い!)がレンズエレメントやヘリコイドなどはOHされ、かなりキレイだ…なぜ今こんなレンズをと云う疑問があるだろうが、すべてはLeicaレンズのすべてを知るためだ。デジタルによって必ず蘇る。

 ファインダーの位置や大きさも具合が良い…外付け光学式ファインダーでも良さそうに思われるが、パララックスの問題や各種の撮影情報の表示などEVFのメリットは大きい。なにしろライブで見られるのだから…外付けだと微妙に実画像とは違う。だいいちプロでも時々見られる、シャッターを切ったあとファインダーから目を離してモニターでプレビューを確認する必要がない。私はこれを「みっともない」と感じてしまう…昔は一眼レフの一瞬の暗転すら問題視され、被写体をずっと見続けることが大事と皆が考えていたのである。

35.コシナ=フォクトレンダー ウルトロン21mmF1.8

デジタル時代の超広角レンズ。これならLeicaM9/Leica M Monochromeに取り付けても破綻はないだろう。最近ゆっくりではあるがコシナからMマウントの新レンズ(今回は久しぶり)を集めている…来るべき「Leicaだけで仕事をする」のに備えている。フィルム時代の最後の7−8年間Leicaだけで仕事ができた幸せな時間を取り戻し「店じまい」としたい。あと1〜2年ぐらいは最新鋭機(私の場合OLYMPUS OM-D/FUJIFILM X-E1など)で行くことになるだろう。

36.コシナ・ツアイス BIOGON T* 21mm F4.5 ZM   そろそろデイスコンのコシナ・ツアイスレンズ群から最後の購入となった(アクセサリーも含めて品薄である)。注文から約3週間かかったことになる。純正角形フードはメーカーにも問屋にもなく「入荷未定」である。さてこのレンズは対称型レンズでも少し変わった構成となっていて=詳しくは今度=以前から欲しかった。いつでもいいやと思っているうちに消えていくのがフィルムカメラ用のレンズである。Leica M Monochrome用の21mmはどのレンズになるのだろう。

周辺のマゼンタのカブリは設定や現像でなんとかなるレベルである。画質自体は素晴らしく良い…レンズシェードは28/25mm用の丸形スリットフードでケラれないことも分かった(この写真)。

☆純正のBIOGON T* 21mm F4.5 ZM用レンズシェードが「ようやく」来た (^_-)u
なかなかカッコいい…丸形スリットフードも良いが、何とも言えない自己陶酔的とも言えるフードのカーヴがいいw(゜o゜)w

37.COSINA=ZEISS distagon 18mm F4  上のレンズと同様、比較的安価に入手できる最後の機会がきたので購入した。定価ベースならファインダー込(18mmと特殊なので専用のファインダーが必要)で20万円近い…その代わりフードはレンズに付いてくる…これも白鏡胴は人気があり入手困難(高ければあるが…)黒となった=もちろん私はどちらでも構わない。

このファインダーがあればスーパーエルマー18mmにも使えることになる(^_^;) 

マゼンタ転びもLeicaM9のボディ設定でなんとかクリアできる範囲に収まった。ピントはコシナ・ツアイスらしく恐ろしくシャープで、vignetting/veiling glareも18mmレンズとしては最良に仕上げてある。

Leica M Typ262との組合せではマゼンタ転びは見られない…ここではパンフォーカスにしたかったのでF8だが、実際には絞り開放から使える画質である。Leica M9と比べるとLeica M Typ262はやや温色に見える。

38.elmarit 28mmF2.8/2nd  なんと事情ができて2本目の2ndバージョンだ…1972年モデル。これには当時のファインダーが付属している。上のelmaritは1978年で末期モデル、こちらは1stの鏡胴を使ったごく初期モデルの次のロットのものである(2ndは1972-1979の製造)。どちらも外見・描写共に変化はなく、完成度の高い安定した性能・仕様である…こちらはY2フィルターを付けてLeica M Monochrome用としたい。 E48

ファインダーはSIGMA DP-1mに使用することとした。

49.Super Elmar 18mm F3.8 asph  2013/7/1にLeica製品全体がユーロ対円の為替変動により値上げされることになったため、かねてより検討していたこのレンズを導入した。これで今回半年ばかりかけて続けたレンズ渉猟(ワイド5本・スタンダード2本=いずれも高価なレンズなので資金調整の最中に株高でクリア)も一旦はお終い…次はいつかは分からないしホントに最後かも知れない。

初めての6bitコード付きのレンズだ。つまりLeicaがデジタルになってからの専用レンズと言うことである。レンズコートを見ても、それまでのレンズとはだいぶ違っている=非常にキレイなレンズである。テストは日曜。

Leica M Typ262 F5.6で撮影、何も問題はない…しかし上のZeiss Distagon 18mm F4に比べて優位とは言えない(同時にテスト)=ピントは似たようなものだがコントラストがやや低く、見かけ上は緩い印象がある。

50.コシナ Voigtlander SWH15mmF4.5-III   2016.11

 友人がLeica M9と組み合わせて持っており、なかなかの魅力を感じていた=しかし冷静に考えて旧タイプのVoigtlander SWH15mmF4.5をフィルム時代にもほとんど使っていなかったために長く保留としてきた。しかしここへ来て急に価格が下がったために(全体に下がったのではなく、ある店で在庫処分があった)衝動的に購入した…結果として上のスーパーエルマーから更に画角が広がった。現実には「ほとんど」Leicaボディには現在もファインダーにフレームの出るレンズしか使わない=しかも圧倒的に28/35mm=だろうが…これぐらいの短焦点ならEVFのα7にアダプター経由で使うのが現実的かも。

画質的には開放から問題なし、スーパーエルマーよりシャープなのには驚いた…Leica Mのデジタルのために設計されたのだから当然かもしれない。最適化が完璧なからか、ボディポジションをどこにしても大差ないのも特筆できる。

51.voigtlander HELIAR-HYPER WIDE 10mmF5.6 2019.8

「デジタルカメラ・レポート」でも述べたように、そろそろ打ち止めってことで最広角レンズを導入した。これはライブビュー撮影可能のLeica M10専用となる=正確な画像が分かるのと、評価測光が使えるためである。距離計連動ではないが被写界深度が極端に深いため(そしてこのレンズは特殊なシーンでしか使えない)これで良いと割り切った。

絞りF8、周辺光量落ちはかなりのものだが、これも特殊レンズと割りきれば気にならない。

52. Voigtlander ULTRON28mmF2-ASPH  2021.12

 久々にライカマウントレンズを購入...詳細は「ブログ」「デジタルカメラ・レポート」参照。

53. TTartisan 28mmF5.6 2022.1

詳細は「ブログ」「デジタルカメラ・レポート」参照。

赤ズマロン28mmF5.6にソックリで(と言うよりコピー…しかし仕上げも良好)なかなかカッコ良い。写りも良いので単なるコレクションとして持っているだけでは勿体なくて、撮影に持ってでよう(暗いレンズなのでM9系では感度ゲインが苦しいと思う)。

54.55  2本目のZeiss Biogon 28mmF2.8ZMと7artisans M28mmF5.6(画像のTTartisan 28mmF5.6は間違い)…Zeissがカメラレンズから撤退のニュースを聞いて、一番コシナZeissレンズで気に入っているレンズを購入した(1本目はブラック)。そして上に掲出した中国製「赤ズマロン」のTTartisan 28mmF5.6に続いて、同じスペックの7artisans M28mmF5.6(紛らわしい)を購入。Zeissは当然ながら7artisans M28mmF5.6も良い性能で暗い以外は実用性充分である。M10になってISOゲインが可能になってF5.6でも撮影は苦しくなくボチボチ使っていきたい。TTartisan 28mmF5.6も同様だが正規品は価格が上がってしまっている。いずれも並行品で円安前に買ったので、現在正規価格より1万円以上安く買えた。 2022.12.20

 資金に余裕のあるライカマンの人は、この機会にZeiss-ZMレンズを1本購入することを勧める。 私の考えでは28mmF2.8か35mmF2.8を勧めたい。


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