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「ライカL−Mマウントレンズ/3」 望遠系  65mm-240mm

★LeicaM9購入を期して、ライカマウントレンズをデジタル時代に蘇らせる実験を開始した。随時テストしていくので参考とされたい。


1. エルマー65mmF3.5 c 1964 所有のライツ/ライカレンズ中、色もピントも、もっとも軟らかい描写をする。遠いところは難があるが、近接時の繊細さは間違いがない。概して絞ると結果が良くない。「カメラ談義」収録。カナダ/E41/1960−1984(1969年以降黒鏡胴に変更)。

ビゾに着いているのがエルマー65mmである。

エルマー65mmをM3に。ビゾフレックスを使って無限遠から接写まで撮影可能な最も短い焦点距離が65mmである。使いにくいことこのうえなしだが、ライカの考えていることは正しいと思う。不便で陳腐なことを覚悟で使う「何でもライカで」が私は好きである。

LeicaM9にビゾ3とelmar65mmを付けてテスト撮影。不格好だが「ちゃんと写る」ミラーアップしてからシャッターが切れるように緩めのセッティングで撮った…もちろんAEのためだ。下がLeicaM9の姿写真を撮ったリコーGX100である。絞りはF5.6、ピントはレンズ先端部に合わせている。リサイズした写真ではテイストが分からないが極めて綺麗な絵ができる(当たり前だがボディやレンズの埃まで写っている)。蛍光灯下でのAWBも完璧に近く、これも蘇ったレンズと言えるだろう。ビゾシステムもヘクトール135やエルマリート90などの名レンズが使えることになる…老後の楽しみ ?(o^。^o)?

2.ズミルックス75mmF1.4 b 1991 シャープで線が細い。昔のレンズとは比べられないが暖色(ライカイエロー)系の色再現である。私は好きだが、このレンズも大きく重すぎるので(値段も重厚)一般には勧められない。そもそも75mmという焦点距離がライカに必要なのだろうか?そのせいかライカも他の焦点距離と異なり「次の75mm」は出せないでいる。またどうしてもと言う人のためにはコシナ=フォクトレンダーの75mmの方がより現実的な選択だろう。カナダ/E60/1980−(フード組込の2ndは1982から)。

M4−Pに。やはりこの角度から見ると大きい。今回久しぶりにsummicron75mmが出るようだが、携行性のことを考えると賢明な措置だろう(F1.4の必然性は感じられない)。本当のところは75mmは準標準レンズとしてF2.8クラスで小型軽量/簡便に使えるようにして欲しかった。

大口径レンズには何とも言えない魅力がある。このレンズも時代遅れの、そして素晴らしいカナディアンライツレンズだ。最近はドイツで作るようになっているようである・・・ノクチルックスやエルマリート21などと共に、エルカン・ヒューズは生産に終止符を打ったのだろうか。私はカナディアンレンズに強い愛着を感じている。各レンズをなるべくカナディアンで揃えるようにしている。なぜか?

3. カラーヘリアー75mmF2.5L c 1999 ズミルックス75mmよりフレアが少なく、シャープ感はこちらが高い・・・この焦点距離の大事なレンズである=ズミルックス75より使う頻度が高い。E43

昨日(2004.6.12)フィールドにて、一般的な撮影はコシナの35mmパンケーキII(あるいはCS28mm)と、この75mmの2本でこと足りることを理解した。3台のボディにそれぞれ1本ずつ(28/50/90mm)より、2台に2本(ワイドは私の場合は28mmだが一般論としては35mmが使いやすいだろう)のレンズの方が、敏速に確実に撮ることが可能なのである。私は3台のカメラをぶら下げて、急ぐあまりついに河原で転んでしまった。レンズは1本で充分(トリエルマーならなお良し)で、それでも撮らねばならないモノがあればあと1本、そしてボディに着けないならポケット(バッグではない)に入るレンズを1本、せいぜいそんなところだろう。私は心に決めた・・・もはや若い頃の体力はない、慌てて走らねばならないときは最大ボディ2台にレンズ2本(!)だということを。

ウルトロン35/カラーヘリアー75。デザイン・使用感はほとんど同じである(どうしたものか絞り環のタッチだけが全然違う)。ターレットの彫りが浅く、多少ヘリコイドが回しにくい=これは最近(2004)の黒レンズでは改良されて回しやすくなっている(つまり少し高くなるが買うなら黒だ)。

4. ジュピター85mmF2L b 1987 比較的軟調で色も綺麗である。大きすぎる面もあるが使えるソビエトレンズの典型である。「カメラ談義」収録。E49。

M4−2に取りつけた。フレームは90mm用で「少し広め」で充分である。かなり大きなレンズであることが分かるだろう=アルミ系の鏡胴なので見た目より軽い。口径が49mmなので汎用のメタルフードが取りつけられる。

右のレンズが85mmF2。この3本の中では最も軟らかい描写である。このスペックの国産レンズ(キヤノン85mmF1.9やニッコール85mmF2など)に性能的には劣らない。反対に云えば他の2本はコストを無視すれば、同スペックの国産レンズに少し劣後することと思われる(もちろん総合力で)。

5.キヤノン85mmF1.9  これも1950年代中頃のレンズである。これも友人とのトレードレンズで以前から興味を持っていたものである。これでキヤノンの古いLレンズは28−135までだいたい揃った(特殊レンズは除く)。これはさすがにオモチャレンズとは呼べない。堂々とした重量レンズで質実ともにライカに対抗できるレンズであろう。描写はやはり当時としては無理をしたスペックである。開放〜F4までは実用に問題がある程度に甘い。そこからは絞るにつれて軟らかいがシャープになっていく。 48/1952−1961(これは前期型で、コストを下げて1958年に仕様変更された)

M3に。私の持つ85-100mm級のレンズではズミクロン90/2ndに次いで重量級だ。ここまで来ると、このレンズを中心に使うとき以外は「押さえ」で持ち歩く気はしない(したがって広角レンズ中心の私は使うことはほとんどない)。後日望遠系のレンズが広角・標準以上に軽量化されたのは当然である。

フードもあるが少し歪んでおり、85mmの次世代のモデルのものを取りつけることとした。ニッコールの85mmF2のレンズと似ているが、大きさはずっと大きく135mmと変わらない。とにかく持つだけで大変なレンズである=真鍮にハードクロームメッキ。

6. ニッコール85mmF2L c 1950−55 上のレンズと同じく、なんとなくツァイスの香りを感じるレンズである。やはり軟調で黄色っぽい。回転ヘリコイドで、無限遠ストッパーもないため、絞り操作が面倒である。つまりまず絞りを合わせてからピント調整という手順となる。E48。

85mm.50mmレンズ。50mmのフードは純正だが、85mmのはキヤノンのRF時代のものである。2本とも特別に重い=真鍮にハードクロームメッキ仕上げ、ガラスも分厚い。

M3に。キヤノンの85mmに比べると短いが、それでも材質や仕上げは似たようなもので扱いやすいとは言えない。

7.エルマー9cmF4 B 1937  私のあまり評価しない古い時代のレンズである。ところがいわゆる再生新品のレンズで、コーティング・ヘリコイド他が戦後のものと同じになっている。60年以上前のレンズが新品同様とはいかないが、それに近い状態で私の前にあることが不思議である。戦後型34Фエルマーのコーティングとは異なり、だいたいマイナーチェンジ版のMエルマーと同じ1950年代の半ばに再生されたレンズであろう。詳しい話は後日としよう。E34/ドイツ*

マウント基部のクロームリング以外は再生されて、非常に美しいブラックペイント、クロームメッキである。レンズはマゼンタとシアンの二色のコーティングで、戦後すぐの初期の青いコーティングとはまったく異なる。レンズヘッドを外すと鏡胴にレンズナンバーが刻んであり、ノーマルのものだと分かる。Mになった後期エルマーとは長さが3mmほど違い、鏡胴の互換性はない。ビゾには取り付くが無限遠はでない。エルマー35と同じ調子の描写なので同一の人に惜譲した・・・エルマー35と同様に活用されることだろう。

8.エルマー90mmF4 c 1954 沈胴モデルの最初期型。信じられないぐらい綺麗である。ほぼ未使用品と見て良いだろう。最初は再生新品と思ったが、どこを見てもノーマルである。いつも思うが不思議なレンズがライカにはある。完全に開放から使える。絞っても深度が深まるのみである。同じレンズ構成のリジット・エルマー90より良い結果を出した。このレンズも逆光に弱いため、携行性の良さを犠牲にしても12575等の深いフードが必要だろう・・・木村伊兵衛先生もフードをつけて愛用していた。ドイツ/E39/1954−1968。

奇妙な、そして美しいデザイン/機構のレンズである。沈胴すると確かに短くなるが、リジットに比べて重く太い。決してコンパクトという雰囲気ではなく、かなり重厚で大げさな印象である。同じ明るさのエルマーC90と比べてみた。沈胴すると確かに短くはなるが、伸ばすと断然大きい。しかも重さは1.5倍あり、これにフードをつけると更に差が大きくなる。

実際に使われるときの姿...ずいぶん奇妙なスタイルだが昔の作家の写真を見ると、これとほぼ同じだ。逆光に弱いのでフードは必要だろう。全然「コンパクト」ではなく、機構的に複雑になった、そして高コストになっただけだろう。この頃はライカもコストのことは考えていなかったかと感じられる(もちろん考えていただろうが、それを凌いでよく売れたのだろう)。

9. エルマー90mmF4 c 1957 軟調のお馴染みの昔のライツの絵である=現在はT*などよりもコントラストが高い。気に入ってはいるが、回転ヘリコイドで使いにくいため実戦ではお休み・・・代わりに携行性の良い沈胴エルマー90がやって来た。ドイツ/E39/1954−1968。

若狭高浜におけるカナギ漁・・・箱眼鏡で海底を覗き、アワビやサザエを捕る漁。ある程度絞るとシャープになり、その描写もストレートである。

綺麗なデザインと仕上げを持っている。改めて見てみると初期のMレンズは美しいと思う。実用本位なら新しいライカレンズ、なかんずく国産最新ライカマウントレンズがどうしても中心になるが、時には古いレンズもいいものだろう。

ビゾリングを介してビゾフレックスIIに取りつけた。極度にバランスは悪いが、見た目よりは「ましな使い勝手」である。それにしてもライツは不思議なシステムを作ったものだ。

M3に取りつけると、こんな感じで少し小さすぎるぐらいのボリュームである。しかしたまに使う程度のレンズなら小さい方が良さそうである。

10. エルマーC90mmF4 b 1973 CL用のレンズ。ロッコールM90も同じものである(フィルター径のみ違いがある)。CLE用よりデザインが垢抜けている と思うが・・・画質では少しシャープ感が足りない。色乗りはいいのだがキリキリしたようなピントが来ないのである。カナダ/S5.5・・・これは入手困難、しかし特注品を入手した(値段は定価4千円・・・もしあれば安い)/1973−1978。

エルマー90mm沈胴と並べてみた。コンパクトさがよくわかる。

11.エルマー90mmF4トリプレット C 1963 それまでのエルマー(3群4枚構成のテッサータイプ)から、新種ガラスの導入により3枚玉(凸凹凸のトリプレット)に進化した。デザイン/仕上げは同時代のエルマリート90やズミクロン35/8と同じで、やや黄色味を帯びたクローム仕上げである。当時のライカの新種ガラスにあることとして経年変化による黄濁が見られ、やや黄色い描写となる。このレンズにも他のこの時代のレンズと同じく、黄濁に対する対応しているものもあり、購入時の要確認点である。1963−1968年の生産で、どこにラインが引かれるか分からないが新しいものを選ぶべきである。ただし少数の生産だったため値段は高い。描写は旧エルマーと比べてシャープ感が強い。「カメラ談義」収録。ドイツ/E39。

合理的、かつ綺麗なレンズで、いつかは欲しいモノだ。

最初期型で、あまり綺麗ではないが、スタイルの美しい洗練されたデザインのレンズである。高価なので今回は借用しての使用にとどまった。いずれ本当の余裕ができたら「綺麗な」当該レンズを求めたい。ズミクロン90/3rdと大きさやデザインを比べてみた。

ついに友人から来てしまった。さて...これからである。

M4に取りつけて別角度から。とても美しい姿だろう...写りは最新のレンズと比べて「まずまず」だがライカ全盛期を感じさせる雰囲気を持っている。

端正なサイドビュー…このレンズがLeica90mmでは一番だろう(もちろん性能と言う意味ではない)。

12.テレエルマリート90mmF2.8(ファット=1st型/1968年製) B  このタイプのテレエルマリート90ミリは1964年に始まり1974年までで製造を終わっている。偶然かどうか、短命だったエルマートリプレットと同世代のレンズである。Mマウントの90ミリはエルマー4枚構成=沈胴1954−1968と固定鏡胴=1954−1963、そのあとをトリプレットが1964−68、エルマリート1st1959−1974、テレエルマリート1st1964−1974、同2nd1974−1989、エルマリート2nd1989−1999、ズミクロンは1st1957−1958、2nd1959−1979、3rd1980−1998、アポズミクロンになって1998−と連続しているようなしていないような、よく見るとふたつの世代交代があるようである。このうちエルマートリプレットが短命に終わったのはその暗さ(F4)と収差補正に不利だったことが考えられるが、テレエルマリートについては2ndの長期製造と比べても1stの製造期間は短くかつ数も少ない。アサヒカメラのテストで絶賛されたのは2ndだが(1stとの誤解も時に見かける)、画質は1stも定評があった。扱ってみるとその頑丈な造りは写真で見るのとは大違いである。それまでの長焦点タイプからテレタイプに移行した画時代的なレンズだけに、2ndへの交代の意味については興味津々である。初期にレアモデルのクロームタイプがあり、その仕上げの良さで絶賛されているが(ここら辺が案外理由かも知れない=コストがかかりすぎる)大部分は黒である。簡単なテストの結果極めてシャープな像を結ぶことが分かった。個体差が大きく、一般には評価の分かれるところだが(これには人気のある、しかしレアな初期のクロームタイプが話の俎上に上がることが多いためだろう=5群5枚の貼り合わせのないレンズで芯取りが難しかったのかも)少なくとも、この個体は後期テレエルマリート90/2ndと同等の性能を発揮した。開放は少し緩いが(後期も同じ)F2.8からほとんど平坦な画像となり、絞ってもあまり変化がない。ややヘリコイドの回転角が大きく、後期に比べて微妙なピント合わせが容易である(逆に後期の欠点はここにあり)。カナダ/E39

M6に。フードを取った姿を想像して欲しい。これならコンパクトで取り回しがいいだろう。下のエルマリート90mmと比べてみてほしい。歴代ライカ90mmの中では2種のテレエルマリートが実用的だろう。写りも決して長焦点タイプに比べて劣ることはない。

左が1st、右が2nd。長さはほとんど違わないが太さと材質の差により、質量は355g/225gと大幅に異なる。同時代の他のレンズと比べてもズミクロン・テレエルマリートの両90ミリはズミルックス50/1stと並び別格に重厚な仕上げだと思う。考えてみるとテレエルマリート90の2ndはその性能と手軽さ、そしてコストなどのバランスがメーカー・ユーザーともにとれていたためにロングランになったのかも知れない。どちらも大切なレンズになった(エルマリート1st、ロッコールM90、アポランター90も含めたい)。やはり90ミリクラスはどれも性能がそろっている。

13. テレエルマリート90mmF2.8 b 1981 ズミクロンと対照的に小さく軽い。性能は抜群だが個体差もあり、時に癖玉が混ざっている。意外かも知れないが、現在は90mmのなかでは標準的にこれと初期エルマリートを使っている。カナダ。E39/1973−1989。

富山県小矢部川にて。昨日の出水で漁の網に上流から流れてくる川ゴミがたまった。軽くて効率の良い川舟の上でゴミをかたづける。ゴミと言ってもほとんど草木の切れ端だ。このレンズは薄暮の使用でも噂どおりの切れ味を持っていた。高いコントラストと色の分離が素晴らしい。色温度の微妙な変化まで見えてくる(これは画像処理していない)。

左は純正ゴムフード。同時代のCL用の90mmレンズのフードと似たような仕上げである。しかし常用しているのはライカ標準の12575である。ちゃんとスリットが鏡胴に入っており問題なく取り付く。深いし丈夫なので賢明であろう・・・そしてデザインの美しさもある。残念ながら、これはCL用のレンズにはつかない。

14. エルマリート90mmF2.8(初期型) c 1960 個体差がある。こちらは浅絞りから周辺までピントが来るし、色再現も自然である。これも良く使うレンズであり、黒鏡胴の同レンズもいつか手にしたいと思っている。「カメラ談義」収録。ドイツ/E39/1959−1974。

M4−2に。長焦点タイプのために90mmとしてはずいぶん長い。レンズヘッドを外すと分かるが、レンズエレメントは距離環の真ん中あたりまでしかない。あとは空洞である。鏡胴はアルミ製なので傷だらけだ。

15. エルマリート90mmF2.8 b 1998 ズミクロンよりやや軟らかく、癖のない良好なレンズだが、特徴も希薄で面白みは少ない。しかしライカの90mmレンズの中では性能だけを見ると一番だろう...重いのが負担である。「カメラ談義」収録。ドイツ/E46/1989−2000。

右が現行品(テレゾナータイプ)、左が初期型(ヘリアータイプ)・・・長さにこれだけの差がある。テレタイプの望遠レンズ設計は世紀の大発明だろう。少なくともRFカメラにとっては広角のレトロフォーカスより重要なことである。

M4−Pに。少し大きめだがヘリコイドリングや絞りリングの位置関係など見た目よりは使いやすい。ライカの90mmの中では総合的に見ると一番の汎用性があると思われる。二種のTete-eimarit90mmF2.8ぐらいのボリュームなら更に良かったのだが、なかなかうまくはいかない。レンズタイプとしては昔のテレゾナーに戻ってやや長めになるのは仕方がないだろう(これは性能優先)。くどくど言うようだが太さは5mmぐらいはスリムにできたはずである。2005.10

16. ズミクロン90mmF2 b 1977 とにかく固くてシャープ・・・ガウスタイプの昔からのレンズだが特異な描写が期待できる。もう少し軽いと常用も可能なのだが・・・。カナダ/E48/1959−1979(少なくとも4タイプあり、これは最終型)。

ベッサR2Aに。極端に大きく重い。実際に取りつけて持つと、この写真で見たより更に重量感がある。ベッサは大きさとしてはM6あたりと変わりない。

丹後伊根でのカナギ漁。ここでは分からないが絞りF2.8程度でも極めてシャープである。重くてフィールドでは使えないレンズだが惜しいと思う。

CLに着いているエルマーC90mmと比べて、その大きさがよくわかるだろう。

17.ズミクロン90mmF2 /3rd(テレゾナータイプ)  B  1983年製  1980−1998年の間、少しのマイナーチェンジ(組込フードの形状とフィルター径が変更)をしたが、非常なロングランレンズである。しかし案外話題に上らないのは不思議である。1st−2nd(同じガウスタイプのレンズ構成)に比べて随分軽くコンパクトになって、手持ちで「使える」ようになったにもかかわらずである。そう言えば現行のアポズミクロン90も今ひとつの評価である=どちらも悪いとは誰も云わないが、素晴らしい!とも聞かないし、私もテストしてみて同じように感じる(私の持つ2ndは素晴らしい=しかし大きすぎて使用困難)。F2.8クラスが良すぎて少々霞んでいるようである。カナダ/E55

フードを伸ばした状態でM3に取りつけた。1st/2ndと比べるとずいぶんコンパクトになったが、それでもエルマリート/エルマー系の90mmと比べると重々しい。たった絞り一段だが、小型化は技術的に難しいのだろう。したがってこれもお蔵入り。

エルマー90トリプレットと。1stと2ndを合わせて1stと呼び、これを2ndと呼ぶ人も多いが私は3rdとあえて呼ぶ。レンズ構成が同じでも(1と2)大きく外見や操作性の異なる物は別のバージョンと考えている。「使用することを前提」としたときは、レンズ構成だけが問題となるのではないだろう。と固いことを云うが時々定義づけから外れることもある=つまりたいしたことではないのである。使い易くて良く写ることが肝要・肝要。

18. ロッコールM90mmF4(CLE) b 1983 CLE用のレンズ。他のMマウントカメラに矛盾なく着く。CL用と同じ構成と聞くが、改良があり、描写は明らかにこちらが良い。28/40mmと同様「ロッコール」そのものの絵である・・・私はうんと若い頃、SRT101とMCロッコール(28F3.5−35mmF2.8−55mmF1.4−135mmF3.5)でルポしていた。ベルエポック、よき時代だった。E40.5。

M6TTLに組み合わせた。このゴムフードが貴重品になりつつあるらしい=確かに貧弱な印象である。しかしフード込みでこの全長である=コンパクトなのは最良だ。つまり望遠レンズをあまり使わない私(フィールドカメラマン)としては、画質のことは考慮するとしても、カバンの中(時にポケット内)で邪魔にならないことが一番大事なのだ。ライカからも似たようなコンセプト(+接写)の新マクロエルマー90mmF4を出してきた。いま一番使っている90mmがこれである(2004年時点。ちなみに135mmは30のテレエルマー)。

左からロッコールM90mmF4(CLE)−エルマー90mmF4-エルマリート90mmF2.8後期型−ズミクロン90mmF2(ガウスタイプの最終型)。

この絵では分かりにくいが極めてシャープである...ライカ風でない描写がいいのかも知れない。南紀白浜サファリパークにて。

19.コシナ アポランター90mmF3.5 b 2001 最新設計の中望遠レンズでアポクロマート補正が看板。文句無く良い。開放から隅々までピントが来て、絞っても癖が全く出ない。これ程素直だとかえって面白みがないというのは勝手だろうか?今後もテスト続行。E39。

M5に取りつけても違和感はない。逆にF3.5という明るさの割には大きいとも言えよう。ヘリコイドリングのターレットの刻みは深くなり、ウルトロン28と同様扱いやすくなった。コシナのLレンズは白と黒とがあるが、大きなレンズなら黒い方がいいだろう。白は正確には銀色なので目立つばかりでなく、直射日光下ではファインダーから覗くと鏡胴が光って感じが良くない。しかし黒い鏡胴には時として銃身のような陰惨さも感じるので、小型のレンズなら明るい色の方が好ましく感じる。コシナ=フォクトレンダーのブラックペイントは被覆が弱く、比較的剥げやすい。それも少しずつ薄くなると云うより一部がポロリと剥離する傾向がある。

20. ヘキサノンKM90mmF2.8 b 2000 現行エルマリート90と同等の絵を作る。そして一回り小さく、実用性ではこちらが上だろう。逆光時には少し気をつけたい。E46。

似たものどうしのエルマリート90mmとヘキサノンKM90mm。口径はほぼ同じだが、長さや質量がだいぶ違う(ライカが重厚)。黒マットの仕上げ面も少しヘキサノンが赤味がかっている。

全体に仕上げは手堅い。左から35mmF2/90mmF2.8/50mmF2/28mmF2.8、どれもフードを着けた(伸ばした)状態である。ライカと比べると28/50mmは同じぐらい、90mmは小さく35mmは大きい。ヘキサノンの間でも基本デザインは同じとしても細部が微妙に異なり、その理由を設計者に聞いてみたいものである。

21.キヤノン セレナー100mmF4 C  なかなか綺麗なレンズである。1948−52年の生産でトリプレット3枚構成。昔のレンズなのだが素材/仕上げがいいので生き残っている。 写りについてはさすがに設計が古く、F8まで絞らないとキチンとピントが来ない。トリプレットなので抜けはいいが、やはりモノクロ時代のレンズで色は浅くしか出ない。このレンズも「夜明け前のレンズ」であろう。設計者に敬意を表したい。 E34またはシリーズ6をフードに挟んで使う。 

オリジナルelmar90mmと似たようなデザインだが、これも真鍮レンズで大きさの割に重い。写りはほどほどだが、使いやすいレンズと思われる。

左がセレナー100mmF4トリプレット/1st、右が次のモデルの100mmF3.5=5枚構成の2nd。基本のデザインは似ているが中身は全然違っている(もちろん性能も)。テレゾナータイプとなっただけでこれだけ短くなる。

22. キャノン100mmF3.5L(タイプ2) p 1953−1975(タイプ2は1958−60) 軟調でさっぱりした描写・・・使える。私はキヤノン7で使っているが、Mの90mmのフレームを使ってもたいしたズレはない。開放は崩れる。E34またはS6。

キヤノン7に。ずいぶん細くて短い(フードがついた状態)。明るさを制限するとここまで割り切った大きさになる(当然かなり軽い=ポケットに入れて歩ける)。このレンズの性能はキヤノンのL望遠レンズ の中でも最上級で、のちの一眼レフ用のレンズにも取り入れられた。

23. ニッコール10.5cmF2.5L p 1954−63 評判は良いが、浅絞りの無限遠では周辺に甘さがある。F値が明るいのが仇か。中近距離のテストをしてみよう。E52。

フードとキャップ/ファィンダーが付いてきた。極端に重いレンズである。それでも初期型よりは軽くなっている。なかなか使うチャンスが無いのだが、今度ベッサTにつけて使ってみよう。

24.コムラー105mmF2.8 P  幸運にもコムラーの安価で、それ故程度のよいものが市場に出て来にくいレンズが同時に2本手に入った。これは1958−1964年の生産で、当時の価格は¥14800であった。これの各リングはブラック・クロームである。キャップは純正のメタル製だが、フードは純正ではなくコニカのもののようである。写りはこの時代のレンズとしてはまずまずで、私の所有する他のコムラーレンズと比べると黄色への偏りは小さい。E48*

135mmも含めて同系統のデザインであるが、仕上げは少しづつ異なり、やはり後期ほど軽合金が多くなる。当時は三協光機と言った。よくある話だが105mmはライカボディで使ったとき、距離計との連動にズレがあり返品(他のレンズと交換)とした。純正以外の古いレンズの場合、時にこういう事が起こるので、買うときは、まずは自分のボディに着けさせてもらい、無限遠でピントにズレがないかどうかを試してみよう=もちろん機械的な連動を見るだけでフランジのズレは分からない。そののち実写で試すのがいいだろう。

37.コムラー 105mmF3.5  1955-1968の生産。最初はオールクロームで、1957年にこの型なり、その後オールブラックになった。鏡胴のデザイン・材質は変わったが、レンズはトリプレットの簡単な構成のレンズである。フード・ファインダー付で知り合いから仕入れた。コムラー(三協光機)から別れたエイコールでも同じレンズが出されている。E43

ライカ III b に。フード・キャップ・ファインダーは純正である。キャップには三協光機のSKの刻印が見える。フードの打刻が筆記体なのも面白い。このレンズのデザインは、1950年代後半当時としてもあまりに古くさく感じただろう。写りはそれほど期待できない。まあピントが合えばそれでいいと思われる(もちろん普通にピントは合う)。

25. コムラー135mmF3.5L p 1957−62 ニッコールと似たデザインだが、仕上げやタッチはやや劣る。しかし性能・操作性は良い・・・黄玉。E48。

M3に。大きさはそれほどでもないが、トップヘビーで使用上のバランスは良くない。作動の節度はいいし、こう見えても写りは実用性充分(同時代のレンズ群のなかで)だし、安価なこともあり、たいして使わない焦点距離レンズとしてこれ1本持っていてもいいだろう。

左はビオゴン28mmF2.8L改。

26. キャノン135mmF3.5L(タイプ1) c 1952−58 下と同じ構成。安定した性能と云える。真鍮性の大きなレンズなのでとにかく重い。回転ヘリコイド=ニコンのものよりは多少ましだが、やはり絞り操作はし辛い。E48。

左からタイプ1と2。多少の改良はあるのかも知れないがレンズ構成は同じである。コーティングも同じで、違うのは鏡胴と絞り羽根(タイプ1は丸絞り、2は10角形絞り)である。回転ヘリコイドなので絞り指標は裏側にも表示してある。描写もまったく同じと云って良い。

キヤノンPに。重厚そのものだ。テレタイプで比較的短いがオール真鍮+ハードクロームメッキで重々しい。これにフードがつくのである...とても現場で軽やかに使うのは無理だろう。

27. キャノン135mmF3.5L(タイプ2) b 1958−61 タイプ1と同じ構成ながらモダンなデザインとし、材質も軽合金を多用して軽く扱いやすくなった。E48。

M3に取りつけた。やはり国産他社がやめたあとも作り続けただけあって、ライカとは別のスタイルだが、同様にモダンなデザインのライカマウントレンズだと思われる。このレンズは普段お世話になっている友人に差し上げた=外見は異なるが中身の同じレンズを2本(しかも135mm ! )持っていても仕方がないと思った。

28. ヘクトール135mmF4.5 c 1958 コントラストの低い、飛びにくく潰れにくい、そして線の細い描写のお勧めレンズ。値段も相対的に安価と云える。性能としては即断できないが、何度も使っていると、135mmの中ではどうもヘクトールとエルマーが様々な条件で見たとき好ましい印象を持っている。そんな訳で1956年製のヘクトールのレンズヘッドをもう一つ持っている=ビゾ専用・・・ただしこのヘクトールの鏡胴に取りつけても実用的には問題がないことが分かっている。「カメラ談義」収録。ドイツ。E39/1954−1960。

左がエルマー、右がヘクトール。フードは12575。

29. エルマー135mmF4 c 1960 開放からと云うのは大袈裟だが、一段絞ると実用の範囲に入る。あとは深度が深まるのみで描写の変化は少ない(裏を返すと絞っても針で突いたようなピントは来ない)。しかしヘクトールより線が太く、繊細と云うよりも力強いという印象である。135mmでは好きなレンズの1本だ。「カメラ談義」収録。ドイツ/E39/1960−65。

M4にエルマー135mmを取りつけた。いかにも長いのが分かるだろう。現代的な感覚から見ると操作性/携行性ともに後のレンズより劣ると思われる(私は持つ時は必ず車なので問題ない。135mmは最近はこれかテレエルマーである=写りの性質のため)。

30. テレエルマー135mmF4 b 1966 デザインは好みが分かれるだろうが頑丈さという点では頼もしい。この頃(2ndバージョン世代)のライツレンズは無骨なデザインが多い。現行品(どうやらアポテリート135が出て製造は終わったようである)と同じレンズ構成。コントラストが高く、描写に重さがある。ピントは来るので特徴を生かした使い方をしたい。ドイツ/E39/1965−1998(1993年にフード内蔵型の仕様に変わった)。

ライカの135mmレンズの中で最も頑丈に作られているようだ。描写は好みが分かれるだろう(望遠は古いタイプから性能は安定していた)が、メカとしては最高という技術者の評価がある。距離環と絞り環に距離がありすぎて操作的には好ましくない。

31.エルマリート135mmF2.8 B  1969年製 ライカでも唯一の眼鏡付き望遠レンズを入手した。このメガネでファインダーの90mmフレームを1.5倍に拡大する。0.72にとりつけた場合、見かけ上は等倍より少し大きく見えて、そしてそれより外側の画面が暗くなるため、更に当然ながら距離計窓も拡大されるためにピント合わせ、フレーミング共に格段にしやすくなる。どうしても仕事では135mmを使わねばならないため、何度でもより「扱いやすい」135mmには挑戦する。どのレンズも性能には満足しているが、これはRFに135mmという少し無理な組み合わせを積極的に改善しようとした意欲的なレンズである(そのためF2.8にできた)。欠点は大きく重すぎること、メガネ部分が出っ張っているためこれが壊れやすいことである(これはM3用のメガネ付き35mmレンズも同様)。あとは写真にあるとおり、ズミクロン90mmと兼用のビゾリングを買ったこともあり、試してみることにした。135mmはビゾでと思っていて旅行にも持参するのだが、どうも面倒でボディに直接取りつけることになり、ついピントの歩留まりを悪くしてしまうこと多々ある。S7フィルターを装着。カナダ/1963−1998(1973年に仕様変更)。

富山県黒部川にて、アユの投網漁。ファインダーの中でのピント合わせはし易いが、運ぶのも構えるのも難儀である。実用性としては疑問がある。

右にあるのが、ビゾリングをつけたズミクロン90、レンズヘッドはエルマリート135と同じ規格である。当然フランジバックも同じとなっている。ビゾリングは誤差を考えて余裕を持って作ってあり、ヘリコイドを縮めると少し無限遠を通り越してしまう。ピント合わせはキチンとしよう。これは他のビゾリングでも似たようなものである。このエルマリート135は1969年製(1stバージョン)で非常にしっかりした造りだが、その分とても重い...あちらが立てばこちらが立たず。このレンズの難しいところは拡大されてファインダー上はピント合わせは楽になったが、ボディによる距離計の調整の微妙な差で、やはり浅絞りだと歩留まりが芳しくない。もちろんアタッチメントなしの135mmと比べると格段にいいのだが(つまり普通のプリントならOK=私のは印刷原稿としての基準なので厳しく見ている)まだ改良せねばならない。今度ボディを一式カメラ店へ持参し、このレンズとピッタリのボディを測定的に見つけよう。或いはどれかのボディ(M6TTL/0.85か)をこのレンズに合わせて調整するかである。これは微妙なことなので広角から標準レンズではどちらにしても問題はない。

32.アポテリート135mmF3.4 B 1998年 135mmレンズは一般論としてあまり使われていないレンズであろう。しかし私は基本的にライカM系のカメラしか使わないので135mmはどうしても必要なのである。いままで持っていたものである程度満足できたが、90mmレンズの高性能に比べると(当然、一眼レフ用のレンズも含め)解像力に少しの不満を持っていた。色収差の高次補正による中遠距離の画質向上を期待して導入した・・・私の場合135mmはどうしても近づけないものをアップで撮るためだけに必要なのである。E49/ドイツ。*

フードを縮めると小型さが分かる(携行に便利)。

比較のためにヘクトール135/4.5と並べたアポテリート135/3.4。実際に使うときのようにフードを取りつけた(アポテリートは伸ばした)状態である。変形トリプレットのヘクトールに比べて、テレゾナータイプのアポテリートは最新の設計とは云えこれだけ短く、1段明るいにもかかわらず、多少の大径化でとどめている。ただし私はデザインはヘクトールが好みである。このアポレンズはいい性能のレンズだが、繊細すぎて使いにくく(ラフな使用をするので、ピントが少し外れると大崩れするこの手のレンズは使いにくいのである=反対に云うとピントが外れても目立ちにくいレンズは便利)1年ほど使ったあと惜しいが売却した。

33.ジュピター13.5cmF4 C  1954年製のテレ・ゾナータイプのレンズ。ツァイスの135mmのコピーと云われている。テレタイプなのでこの時代としては非常にコンパクトである。アルミ鏡胴のため少々安っぽいが(実勢価格は1万円前後)、その軽さも美点のひとつである。このところ長焦点のレンズに少し興味がある(どの会社もどの時代も平均的に悪くない)。しかしゾナーコピーという意味での興味であってオモチャレンズ的な感覚は否めないだろう。写りは悪くない。この時代の他社(ライツは除く)135mmLレンズと比べても平均的なところだろう。色の偏りも少ない。E40.5

M4−Pに取りつけた。このままではコンパクトさが分からないがヘクトールやエルマーの135mmと比べると随分短く細い。このレンズは比較的綺麗だがアルミの処理が悪くやや汚いものが多い(1960年代半ばまでしか作っていないので新しいものは少ない)。

34. テリート20cmF4.5V b 1954 戦前設計のレンズ(私のは戦後のコーティングタイプ)。さすがにカラー対応はしておらず黄色いが、なんとか実用も可能だろう。ピントは極めてシャープで平坦性大。「カメラ談義」収録。ドイツ/E48/1935−1960。

ビゾシステム。奥に立っているのが200mmレンズ。たいへんしっかりとした作りで、戦前のレンズデザインが戦後まで生き残った良い例である。

35.テリート200mmF4 B  1961年製。エルマー65mmと並んでビゾ用レンズとしてはポピュラーである。これの前の型のテリート200mmF4.5と比べると半絞り明るくなっただけで随分大きくなった。しかし直進ヘリコイドになったことや、絞りにプリセット機構が付いたことなど改良はされている。写りはF4.5がカラー対応していないためかなり黄色に偏るのと比べてナチュラルに近くなった。E58/1959−1984*

ビゾに着いているのがF4.5、横に置いてあるのがF4。仕上げは古いレンズが断然優れている。使い勝手は当然に新しい方が良くて、写りは色の問題を除けばたいして変わらない。しかし厳密に見ると何とF4.5の方が浅絞りではシャープである。つまりモノクロなら価格も安いF4.5がお勧めである(私はシャープ感を重んじるため、めったに使わない焦点距離であることも相まって今回は導入を見送った)。なおベッサTにはビゾがかろうじて取りつく。勿論使うこともできるが、重さのバランスという点では勧められない。

36.ノボフレクター240mmF4.5 B  ノボフレックス製ビゾレンズ。年式その他一切不明。コーティングの具合を見るとそれ程古いとは思えない。トリプレットで「丸絞り」であることは分かる。ひょんな事から私の元へやって来た、さてどうやって使おうか?ライツのビゾ1/Mダブルレリーズにベローズがついている。したがって全てのライカMカメラにコンパティブル。関係ない話だがビゾはベッサT/R2にも辛うじて取りつく(友人に教えて貰ったが、自分じゃ実行していない)。ヘキサーRF/CLE/CLにはシャッターボタンの位置関係で取りつかない。

なにせ大きい。無限遠から接写まで撮影可能だが、私は一体何を撮ろうと云うのだろうか?

37.コシナ・フォクトレンダー "ヘリアークラシック"75mmF1.8  コシナの(いやレンズ製作技術の)粋をつくしたレンズの1本である。まだ何も写していないが、トリプレット変型のレンズでF1.8を実現したことに敬意を表したい…以前に50mmでF2を作ったときも「たいしたモノだ」と思った。もちろん長焦点タイプのレンズとしてはコシナフォクトレンダーやLeicaの75mmF2.5のようにガウスタイプで充分なのだがo(^-^)o  そう言うわけで久しぶりの望遠レンズの購入となった(2007年以来)。

とても美しい仕上げだ…ここまで来るとLeicaも含めてIDデザインの見本として扱われるべきだろう。カメラはフィルムLeicaとしては最も多くシャッターを切った往年のシーベル・M7。

38.Leica summarit75mmF2.5 先月買ったのだが忙しくてまだテスト撮影すらしていない(どうなっているのだろう)。elmarit28mmF2.8/asph/summarit35mmF2.5などと共にデジタル対応レンズとしてLeicaM9用に少しずつ買っているのである。非常に高価になったLeicaレンズの中ではsummaritシリーズ(さらにelmar24mmF3.8なども)は比較的買いやすく、それでいて性能も安定している。ケースが「袋」になったり、フードが別売だったりコストを押さえることはしている。ただし1988年あたりから始まったスケールフォントのカクカク文字がsummaritシリーズでは古いLeicaフォントとなっている…ついでに製品タグも昔風。

細かなゴムのローレットの耐久性に不安を感じる…劣化して、もげてしまうことはないだろうが他メーカーの同じような仕上げのレンズのゴムは白くなっている(トプコンREレンズはキレイなままだが)。フードはフィルターにねじ込むのではなく、レンズ先端のリングを外して、外ネジにねじ込む=summarit35mmF2.5やelmar24mmF3.8と同じ。見た目は地味で面白みはないものの使いやすそうなレンズである。

39. Voigtlander APO-SKOPAR 90mmF2.8

 2001年の90mmF3.5以来の90mmレンズ、買わないわけにはいかない。いまやレンズ鏡胴部付近の仕上げは本家Leicaを凌いでいる(最近のコシナVMレンズはそのあたりを狙っているようだ)。今回もブラックにしなかったのは、この仕上げがよりエッヂが立つように感じるのと、黒であれば鋭いエッヂに汚れが入って見栄えが悪くなるからである(いまや筆者もLeicaに関してはコレクターと言っていいだろう)。レンズエレメントは39mm径なので、もう少し細くできると思うのだが、往年のtele-elmarit 90mmF2.8/fatに似せたデザインでマニアを狙ってのものだろう…趣味的なモノなのでそれでいいとも思う。もちろん写りはデジタル時代の設計で良好だ。


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